2月3日 土曜日

夜中に何度か起きたけど、7時に起床する。
うん、良く寝た。
9時間寝てたね。

それから、皆で朝食に行く。
ここのホテル、食事が美味しいな~。
昨夜も食べすぎたけど、今朝も食べすぎる。

食後は部屋に戻って。。。

さーて。。。
準備するか。
必要なものを揃えて並べて。
忘れ物が無いかチェック。

耐火インナーを着て、レーシングスーツを着込む。
シューズを履いて、靴紐を締める。
うん、身も心も引き締まる。
レーシンググローブに、ヘルメットとHansデバイスを持って準備完了。

9時半頃、車両へ向かう。
今日はよろしく、相棒。

車両に火を入れる。
機関に熱を入れて、暖機する。

制御がレーシング用の燃料マップなので、アイドリングが乗用車とは格段に違う。

ガソリンをばらまいているのがわかる。
メカニックの仲間達がサポートしてくれてるので、車両は色々任せられるから助かる。

仲間が最終チェックを行ってくれる。

エンジンのレーシングが耳を割く。

エキゾーストノートが体に響き、心地よい。

ダッシュボードのモニターを眺めて、各ステータスの変動を見る。

異常も無いね。

6点式のハーネス(シートベルト)をセットし、確認。
命を守る装備の点検はぬかりなく。

 


「All OK!」

仲間がサムアップし、サインを送ってくる。

久しぶりだ。

気持ちが高まる。


僕は、帰って来た。

行くか!

10時ちょい、レーススタート。

細かい事は、ここには書かない。
あとは、ずっと走っていた。
前半にアタックをかけて、トップに続く2番手まで上げる。

 

久しぶりだ。

全身を使って路面とGと車と対話。
全身センサーでステアリングを握る。
感覚はまだ衰えていないっぽい。
 

後半はマージンを稼いだので後ろのペースを見ながら自分のペースをダウン。

ちょっと、前は速すぎる。

無茶しないと追いつけそうにない。

車両に負荷をかけないように走りデータを拾う。

そのまま逃げ切る。

15時、全てのレース終了。

暫定結果で総合2位。
25台ぐらいの中で2位だし、若い子達を抑えて良い順位。
まぁ、優勝は地元の超スペシャリストだから、かなり頑張った方。
ゴール後に仲間たちと握手。
抱き合って喜ぶ。
やったよ、久しぶり過ぎる。
この感覚、心が震える。
スポット参戦だから、シリーズポイントは無効になるだろうけど。。。
充分嬉しい。

一度ホテルの部屋に戻り、とりあえず装備解除。
それからシャワーしてさっぱり。
汗だくだったしね。


19時から表彰式&パーティー。 
お立ち台に登る。
2位なので、準優勝の盾を貰う。
嬉しい。
優勝した人も知り合いだから、称え合う。
と言うか、回りも殆ど知り合いだけどね。
狭い世界だから。

若い子達、もっと頑張れ。
オッサン達に負けてる場合じゃない。
と言っても優勝者も僕より歳上のオッサンだけど(笑

立食パーティで、メディア記者にインタビューを受ける。
まぁ、その人も知り合いなんだけど(笑

「復活?また始めるの?」

と聞かれるけど、

『いや、今回はスポット参戦ですから。
 今年はもう走らないです。』

と答える。

「シリーズ始まったばかりなのに?」

と言われたけどね。
いいんだ、コレで。
楽しみで走っただけだから。
でも、さらに・・・

「そうかそうか、今ね、企画段階なんだけど。。。 
 選手名鑑を作ろうと思っててさ。
 ドンさん面白いから、入ってもらおうと思ってるんだ。
 またそのうち話を聞くことになるかもだから。
 宜しくね。」

と言われた。

『そう言うのはホントに速かった人とか、

 若い子達をメインにして下さい。』

と答えておいた。
だって、こっぱずかし過ぎでしょ(笑
メディアの人は、さらに他の人に取材しに行った。

その後、若いドライバーの子達に囲まれる。
悪い気はしない。
みんな頑張ってるから老兵は語るのみ。

でも、この中で真剣に聞いてくれる子もいれば、悔しくて舌打ちする子もいる。

でも、解る。

舌打ちする子達の方が、これから5年~10年後以内に伸びてくる。

僕は、そんな子達を応援したい。
負けたからこそ、それをバネにできる子達だ。
その負けん気が、今の子達には必要。

運動会で、手を繋いでかけっこするなんて意味無いよ。

今は、僕の話す事に舌打ちして、気に入らなくても良い。
僕がそうだったからね。
でも、僕と同じ歳になった頃に、今の僕らと同じ感覚になってくれれば良い。
そうすれぼ、この世界が伸びるから。
次の世代に繋がる。

良い夜を過ごした。

やがてパーティもお開きとなり、部屋に戻る。
身内の仲間達だけで飲んだ。
みんな頑張ってくれた時間を、順位で返せた。
自分の事のように喜んでくれる。
でも、そうだよね。
一生懸命セットアップしてきたレースカーが好成績残すって、メカニックとしては本望だよね。
わかる。
ホントに楽しく飲み続けた。

久しぶりの自分の為のレースだったけど。。。
色んな思いが溢れてきた。

先週あたり、

 

「2位じゃダメなんですか?」

 

なんて日記を書いた。

かつての僕は、2位じゃダメなんだとずっと思って生きてきた。

きっと、先に行きたかったから。

 

だけど

もう充分だな。

今回は、2位が凄く嬉しかった。
やっと2位でも良いんだ、と思えるようになってきたんだと思う。
先に行かなければならないと、拘って生きてき過ぎたんだ。

体育会系の性なのか。

でも、別に2位で良いんだ。

 

もう勝負師じゃないんだし。
楽しく仲間たちと同じ目的をもって、一緒に2位が獲れたら、それでもう嬉し過ぎて軽く死ねる。

一緒に喜び、労い、分かち合う。

皆の力で勝ち取った2位だ。
 

今まで、一人よがりだったんだろうな。

昔も、自分の力だけではどうにもできなかったのに。

周りの人を蔑ろにしていたんだと思う。

 

・・・きっと、元嫁に対してもそうだったのだと、思う。

 

それを知るために、色んなものを失い過ぎた。

そりゃ、失うよね。

 

でも、それすら

『もう、いいよね』

と思えるようになってきた。

気持ちの問題。

やっとか。

 

資産は清算はするけどね。

まぁ、今夜はそっちの話はどうでもいい。

 

 

はぁ、しつこいけど、ホントにいい2位だった。

こんなに気持ちの良い2位は、久しぶりだ。

 

最後に味わったシリーズ2位が、悔しさの塊のまま・・・

10年以上固まっていたから。

 

やっと、溶けたよ。

 

ありがとう、仲間達。

先には進んで行け無いけど、自分の壁を突破できる2位だった。

今日のこの感覚を、二度と忘れない。

大事にする。

 

あまりに嬉し過ぎて、飲みすぎた。

 

 


やがて、日付が変わる頃・・・
みんな疲れたね。
ボチボチとみんな目が細くなり、お開きとなった。

僕も、ベッドに倒れるように寝込んだ。


おやすみ、子供達

おやすみ、Uさん