。  その開催初日には,ゲーム開発技術のショートセッションを3つ集めた「Game Worlds」が行われているので,その模様をレポートしてみたい。 会場の様子。日本のメディアは,専門機関誌や業界誌の関係者が中心で,あまり多くない。しかし,一般参加者として,日本の大学や日本のゲームスタジオからの参加者が多いので,そこかしこから日本語が聞こえてくるほどだ 「Just Cause 2」の広大なオープンワールド形成に生じた問題とは  最初のセッション「Creating Vast Game Worlds」に登壇したのは,Avalanche StudiosのEmil Persson氏。発表テーマは「」の開発秘話である。日本ではスクウェア?エニックスから発売されているJust Cause 2は,オープンワールド型の三人称視点アクションゲームだ。  近年のゲームとして最大級のゲームワールドを構築したJust Cause 2は,ゲームワールドの大きさは,32km×32kmにも及ぶ,FF11 RMT。この広さは,rmt,面積比で「」(9km×9km)の約13倍に相当するのだ。  Persson氏によれば,Just Cause 2では,遠方の描画境界が5kmに設定されており,遙か遠方まで見渡せることがウリになっているという。そのため,通常の描画手法では,負荷がかなり大きくなってしまうだけでなく,想定外のエラー(アーティファクト)が生じるようになってしまった。  視界は遠方に行けば行くほど広がり,多くの物が見えることになる。それがたとえ小さく密集して描かれているとしても,そういった高密度なビジュアルこそがパノラマビューの美しさに直結するため,手が抜けないとのこと。  ここで発生する問題の1つは浮動小数点演算の精度不足である。遙か遠方のジオメトリ情報に対する演算は誤差が生まれやすく,演算の順序によっておかしな動きをしたり,描画自体が崩れたりしてしまう。そのため,Just Cause 2では,通常のゲーム開発よりも演算順序への最適化を重視しているとのこと。  とはいえ,遠方の描画になればなるほど,描画オブシェクトが増大していき,相対的に取り扱うジオメトリ量も増大していく。Persson氏いわく,Just Cause 2では,頂点情報の圧縮と削減や,描画コールの最適化などを行うことでジオメトリ負荷への対策を講じているそうだ。 基礎的な話題になるが,浮動小数点演算にはいくつかの落とし穴がある
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