Space Siegeのプロデューサを務めるDan Pettit氏  SEGAとGas Powered Gamesが共同開発しているが,E3 Summit 2008に出展されていた。Gas Powered Gamesといえば,Chris Taylor(クリス?テイラー)氏が率いるデベロッパで,2007年にRTS(スプリーム?コマンダー)をリリースした。テイラー氏は傑作といわれたRTS「Total Annihilation」で名を売った人物ということもあり,“RTSの人”という見方をする人がアメリカには多い。だが,日本ではマイクロソフトから発売された(マイクロソフト ダンジョン シージ)の影響もあり,“RPGの人”と認識している人も多いだろう。  Space Siegeという名前から想像できるとおり,本作はDungeon Siegeの流れを汲むタイトルで,多くの基本システムなどを引き継いだハック&スラッシュタイプのRPGだ。Gas Powered Gamesは本作を精神的な続編と位置づけており,パッと見はグラフィックスが一新された“SF版Dungeon Siege”という印象が強い。  本作は100年後の未来が舞台で,地球はエイリアンの襲撃を受け壊滅的なダメージを受けてしまう。プレイヤーはSeth Walkerとなり,人類のわずかな生き残りを乗せた宇宙船「アームストロング号」をエイリアンの手から守るのが目的だ。  Dungeon SiegeはファンタジーRPGだったので,プレイヤーキャラクターは剣と魔法を駆使して戦っていたが,本作はSF RPGということもあり,そのあたりの設定が大きく変更されている。Seth Walkerの主な武器は悚摔胜盲皮辏h距離からバシバシとエイリアンを撃てる。エイリアンは次から次へと現れるのだが,うまくポジションをとれば相手に近づかれることなく倒していける。ハック&スラッシュタイプといわれているが,画面が大量の弾で埋め尽くされると,シューティングゲームにも見えてくる。  マップ内にあるものの多くは破壊可能で,残骸で道を塞ぐこともできる。四方八方からエイリアンが迫ってくることが多いので,こういった戦い方はかなり重要になりそうだ。また,ドラム缶のようなものを撃つと引火して爆発し,敵に大ダメージを与えるとともに,ふっ飛ばすこともできる。もちろん爆風に巻き込まれれば自分も飛ばされるので,使いどころには気をつけたい。  敵を倒すと得られる経験値を使って,さまざまなスキルを覚えていける。スキルは「コンバット」と「エンジニア」の2系統に分かれており,コンバットは攻撃的,エンジニアは補助的な効果がある。また自らの体を改造してパワーアップすることも可能だ。腕,頭,足,胴体を機械のパーツに置き換えられるのだが,それに合わせて姿が変わっていき,すべての部分を機械に変えると,もはや人類とは呼べそうにない,ロボットそのものへと変貌する。  機械の体に変わっていくと,人間的な心も失われていき,人類の味方という立場にも疑問を持つようになる。それに合わせてストーリーも大きく変わり,エンディングまで異なってくるという。かなり奥深いストーリーになるようで,二度三度と遊ぶことで初めて見えてくる真実もあるようだ。ストーリーに重点が置かれていると,日本語化を激しく希望したくなるが,いまのところ予定がないのは残念である。  Dungeon Siegeはかなり親切な設計のゲームだったが,本作でもそれは変わっていない。Dungeon Siegeに登場した荷物運び専用のラバと,同じような役割のHR-Vと呼ばれるロボットが常にプレイヤーキャラクターについてきて,さまざまな場面で活躍してくれる。ラバとは異なり戦闘にも参加してくれるので,かなり心強い存在だ。  タイトル名があまりに似ていることもあり,Dungeion Siegeの焼き直し的に思われがちだが,細部はかなり異なる。とくに一度に現れる敵の数が多く,スピーディに動き回るので,かなりアクション要素が強いといえる。基本部分に共通点はあるものの,完全に別のゲームと捉えていいだろう。    なお,会場にいた本作のプロデューサーを務めるDan Pettit(ダン?ペティット)氏は,ゲームはほとんど完成していると語っており,8月か9月には発売できるという。近いうちに正式な発売日が発表されるということなので続報を待とう。