中学1年の国語の教科書に採用されている
『ベンチ』という短編が納められている本を、次女が借りてきているので、
夕食後に一気に読みました。
戦時中のドイツ、ヒトラー政権下の話です、主人公の親友フリードリヒはユダヤ人の家系で、
ユダヤ人への迫害が少しずつ厳しくなっていくなかでの『ぼく』と『フリードリヒ』の周りで起こる出来事を、時系列に短編で並べた、児童向けの作品です。
教科書に採用されている部分は、恋した女の子と同じベンチに座れないというエピソード…法律で、そう制定されてしまったからという…
80年代に問題になっていたアパルトヘイトや、公民権運動の前(60年代)のアメリカ社会にも通じる話に思えます、
もちろん、近隣の国からの移民に向ける日本人の態度にも同じ種類のものが無いとは言えないです。
筆者のドイツ人作家(もとは社会心理学者です)がこの本をあえて書かずにいられなかった気持ちを考えると、、多分に実話を基にしていると思われ、こんな時代を二度と繰り返したくない気持ちが強く伝わってきます。
少数派への嫌がらせや差別は、決して他人事ではないと思います、この話の中に自分が居たらどう行動できるだろうかと考えると…、はたして周りに迎合しない行動が取れるでしょうか?
また、自分がもし差別される側だったらと考えるととても恐ろしい。
お子さんがこの教科書を使っているおうちのみならず、もっと広くに知ってもらいたい本でした。