悲しいニュースだった。

3歳の女の子が幼稚園バスの中に置き去りにされ熱中症で亡くなった。

頭に浮かぶ度に涙が溢れた悲しいニュース。

 

その後、行政を中心に、幼稚園バスに事故対策が進められていることが報道されている。

 

行政ができることはやればいいと思う。

ただ、やはり納得がいかない、信じられない。

 

そのバスには大人が2人乗っていた。

幼稚園児は、たったの6名。

それも小さなバス。

大人が2人もいて、実際に子どもたちを1人ずつ乗せたにも関わらず、降りる時に人数さえ確認できないのだろうか?

そのことが信じられないのだ。

 

「大人」と呼ばれる人間が劣化しているとしか思えない。

 

誰が確認するべきなのか、その責任は誰にあるのか?という問題ではない。

誰もが、大人ならば誰もが、子どもたちに対して無関心ではなく、弱い子どもたちを守る立場にある。

保育士は、そのプロフェッショナルだ。

 

保育士が足りなくて目が行き届かない?

そういうことではない。

問題意識、誰にも頼らず自分の意志で確認したり意見したりできる環境。

ちなちゃんの担任は、ちなちゃんが教室にいないことに気づきながら放置した。

そういうことが当たり前になってしまっている?

 

正しいかどうか分からなくても、疑問に思ったことは口にするべきだ。が、それができない環境があるのかもしれない。

 

ちなちゃんは、お母さんが持たせてくれた水筒の水を全部飲んでバスの中で倒れていた。

頭の良い子。

 

1人でバスの中で数時間…。

ひとりで水を飲み耐えた数時間…。

 

それを思っては涙した。

 

誰かに従うのではなく、ひとりひとりがリーダーシップを取り、

自分の意見を言える社会が求められる。

意見を言うと間違うことも多いから恥ずかしい失敗も多々する。

でも、その失敗によって助かる人もいる。

疑問に思ったら口にする。

それができる環境づくりが必要だと強く感じている。

大人が集まれば、その人数分の意見があり、

そしてその人数分のリーダーが居れば、

殆どのことはもっと良くやっていけるように感じる。

 

自分の意見を言うとはじかれる?いじめられる?

そう言う話は、若者たちからたくさん耳にする。

それをきっかけに会社に行けなくなる?

 

一体、どういう社会なんだろう?

多様性の時代とか言い、TVドラマではさまざまな人を扱ったドラマが多いのに、相変わらず、現実社会は、みんなで同調してなあんとなく生き残る。

 

やはり大人が変わらなければならない。

もっと大人。

うっかり権力を持ってしまった頭の良くないもっと年上の大人。

年長者がまず変わらなければ、世の中は良くはなっていかない。

 

余談ですが…

私には姉がいて、姉の幼稚園の参観日のこと(らしい)

母が参観日に連れて行こうとしたら家で留守番しているという。

数時間のことなのだろうが、幼稚園に入る前の私は家で1人で留守番が出来たらしい。

母の話では、置いていったおやつには手もつけず、夢中になって人形遊びをしていたらしい。

大人になってから姉に言われた。

「幼稚園前の子で1人で留守番できる子なんて、普通はいない」と。

私は子どもを育てていないのでよく分からない。

ただ、私はひとりで何時間でも空想世界で遊べる稀な幼児だったようだ。

 

私は、ちなちゃんのことをどうしても他人事には考えられないのだ。