私が、田舎暮らしをするに至ったのは、30年前ニューヨークで暮らしたことがかなり影響している。

先日友人になった同じ年の女性が二人とも若い頃バックパッカーだったという共通点を見つけ、

やっぱり…と感じた。

 

30年前、独身で一人ニューヨークへ渡った私は、

短い期間だったけれど、とっても充実した日々を過ごしていた。

その後、帰国して、千葉県、東京都に住んでいたけれど、

あの頃のような幸せで楽しい毎日を過ごせないことに苛立ちがあった。

 

そもそも私が田舎暮らしをしようと思ったのは、もっと広い家に住みたい。

住まなければいけないと思ったからだけれど、アメリカの影響はそれだけではなかったのだ。

 

東京よりもニューヨークの方が俄然楽しかったのは、

歩いてすぐのところに友人が数人いたからだ。

 

夜の10時、友人から電話がある

「キャンディーで飲んでるからこれから来ない?」

「行く行く」

と言って15分後には、合流していた。

 

東京で友人と遊ぶ時、

とにかくみんなが遠くに住んでいるから

(結婚している人は、ほとんどが千葉、埼玉、神奈川県に住んでいる)

前もってスケジュールを確認して、東京のどこどこで待ち合わせして、

店を探して、店はとっても混んでいたりして、

飲むのも帰りの電車のことがあるから、ほどほどにして、

そして酔っ払いがたくさん乗っている満員電車で帰宅する。

 

こんな感じ。

 

ニューヨークで自由に友人と遊べていたのは、私が独身だったからなのかな、とずっと思っていた。

つまり、もう無理なのかなぁ〜って。

 

ところが、ここ原村に来て、同じようなことが出来るようになった。

出来るようになった理由は、

近所に友人がいる。

化粧をしないで外に出られる。

この二つから来ていると思われる。

 

私は、ここに来てから、特別なことがない限り化粧をしないことにした。

このことで、出不精だった私が、かなり身軽に出かけられるようになった。

 

化粧をしないで、洋服も田舎で寒冷地なので、毎日同じような服装

出かけるときは、帽子を被っておしまい。

これはすごく楽だ。

 

年齢を経て東京ではほとんど出来なかった友人が、

原村では、住んで2年弱、爆発的な数の友人が出来た。

通常、年を取れば取るほど親友のように気兼ねなく付き合える友人は出来にくいもの。

しかし、私は、この原村ですでに親友と呼べる友人を持ち、

仲の良い人が結構いる。

理由は、多分、

敢えてこの原村に引っ越して来ている人たちばかりなので、

そもそも価値観に近いものがあるから。

これは非常に大きいのだと思う。

 

同じ年の友人も5人

これも私くらいの歳になると凄いことなのだ。

 

歩いて10分以内のところに親しい友人が2家族

知人は、10人くらい?

車に乗って10分も走ると、100人以上の友人、知人。

田舎なので、スーパーなどでばったり会うこともしばしば。

これが楽しい。

 

そういえば、マンハッタンも狭くて、歩いていて知り合いにばったりなんてこと結構あったな。

でも、東京ではほとんどなかった。

 

ニューヨークは、大都会だけれど、

東京のような感じではない(あくまでも30年くらい前の話ということで)

まずマンハッタンは、狭い。

人間が、なるだけ目を合わさず、なるだけ知らない人と言葉を交わしたがらない東京の人と違う。

みんな大声で喋る。

 

若い頃の私は、年取ったら海外に移住したいと思っていた。

スペインとか、ニュージーランドとか…

でも、海外に行く必要はなかったのです。

日本国内に、こんな素敵な村があったのだから。

そしてもちろん日本だから、暮らしやすいことこの上ない。

 

30年前、ニューヨークに住んだおかげで、

長野県のこの小さな村に惹かれることになった私。

 

人生の中には、やはり無駄なものは何もなく、

みんな繋がっているのだなぁと感じる。