緒方拳さん主演映画ということだけで、

心惹かれてチャンネルを合わせると

なかなか惹かれるモノがあったのでそのまま見ました。


気づけば、今年一本目の映画。

そう、しばし映画から離れています。

今は読書の季節なのです...わたくし。


映画は素晴らしかったですねぇ。


始まって一時間位した時、ふと気づいた。

あれ?主演の緒方拳さんがひとこともセリフを喋っていないぞと。


そして最後までセリフらしいセリフは喋りません。


一番長いセリフで「こんにちわ」だったんじゃないかな?

後は、「はい」「うん」「あの……」

何か喋るのかな?と思うと、

誰かに遮られたり……

その連続。


しかし、これほど分かりやすく、テーマ性もあり、

現代にもマッチしていて、芸術性の高い映画も

なかなか見られないなと思いました。


主演の緒方さんがとにかく素晴らしい。

そして演出が素晴らしい。

音楽も素敵、

映像が綺麗。


周りの人間たちが、普通の人間たちで馬鹿に見えてくる。


ドラマは静かに進んで行く。

はっきり言ってストーリー的には単調。

時間もゆっくり進んで行く。

しかし、最初からひきつけられるものがあり、

途中も飽きることなく

画面から目を離さず見続けました。

つまり、

この作品を観たい!と見始めたわけでもないのに

あっという間にその世界に引き込まれ

厭きることなく……。


いい作品と言うのはこういうことなのだと思います。


いい作品を作ろうとか、

人の目を引くことをしようとか、

作る側はいろいろ考えて作るのですが、

純粋に作りたい作品を才能のある人が作れば

これだけのモノになるのではないかと感じました。


良質の映画です。