なんというタイトルだろう?

タイトルだけ見たら興味を持たなかったのだが、

ストーリーを読むと

昔見た『アメリカンジゴロ』という素敵な映画を思い出し、

ついつい見た。


映画は、『アメリカンジゴロ』とはかなり違うが、

一応、ラブストーリー…。

そこそこ……と言う感じでしょうか。


それよりもこの映画には凄いシーンがある。


エンディングタイトルである。


エンディングタイトルは通常、

最初の役者の名前を少し見て、そのあとはみない。

つまらない映画だと、とにかく終わり次第切る。

しかし、いい映画を見ると、

その余韻を楽しむように

しばらくエンディングタイトルをぼーっと見る。

音楽を聴きながら、

その映画の雰囲気を楽しむのだ。

そう感じられる作品は素晴らしいと思っている。

何故なら、

何よりも作られるべきものは、

その空気感だからだ。

私たち役者は空気(雰囲気と言ってもいいが)を作っている。


さて、この作品。

上記のとおり、作品はまあまあ、

だからエンディングタイトルが出始めたら

最初の数名の役者の名前を見たあたりで切るのが通常である。

しかし、切れなかった。

切れなかったのだ。

そこには

圧倒的な存在感のある役者(じゃないんだけど)がずっとアップで映し出されていた。

その時間、7分半。

私は、7分半の間、

テロップを見ず、

ずっとそのアップから目を離せなかった。


それはカエルなのだが…。


ドラマの中で、一部セリフに登場した、

主役の友人が飼っていたカエル。

そのカエルに、エンディングタイトルが始まる直前に

冷蔵庫からエサ用のネズミを持ってきて与える。

カエルは、パクッとひと飲みして、

そこから動かない。

いや、たまに動く。

そのたまーに動くのを見逃すことが出来ずずっと私は映像にくぎ付けになった。

とにかく目が離せない。

そして、見終わってからもあの顔が目の裏から消えないのだ。


さて、この映画監督は、このカエルに映画の何かを投影しているのだろうか?

そう深く考えようと思えばなんとでも言えるのだが、

私はなんとなく違うのではないかと思ってしまう。

たまたま撮ったら、その後のカエルのアップが圧倒的な存在感を持っていて、

監督もカメラマンも目を離せなくなり、

そのままカメラを回し続けたのではないだろうか?

そして、その映像を使わないわけにはいかなかったのではないか?


この映画は、

エンディングタイトルだけは、少なくとも見る価値があります(*^o^*)/~