怖い映画を見ました。

今までで一番恐ろしかったかもしれない。

映画の途中で、なんか苦しくて、観るのを辞めたいと何度も思った。

でも目は離せない。

終演まで、時々目を覆いながらもしっかり見た。

そして、ラストシーン、

シルビアが回転木馬に乗っているラストシーンから字幕スーパーへ

涙がこぼれた。

辛かった。

何が怖いって、

この恐ろしい話が事実に基づいて作られているからです。


原作が1966年となっていたので、

それ以前にアメリカで実際に起こった児童虐待事件。

それを2007年に映画化した作品です。

アメリカ史上、最悪の事件と言われている...

因みに日本未公開映画です。


虐待を受けた子どもの年齢が性格には分からないのですが、

ある家に預けられた姉妹

その姉シルビアは、とても素直で明るい素敵な女の子。

高校生に見えたけど、アメリカだからもしかしたら中学生かもしれません。

最初は、子ども同士、その家の娘たちと仲良く過ごしていたのだけれど、

多分、きっかけは、その家の長女のトラブルから、シルビアへの嫉妬...?

そして母親のトラブルから、ストレス発散?


その家の母親が躾だと証して、みんなの前でシルビアに虐待を加える。


大人が見ていると、

逃げればいいのに、

近くの誰でもいいから大人に助けを求めればいいのに

とまず思ってしまう。

でもそれが出来ないのが子ども。

そして、自分は何も悪いことをしていないのに、

怖いから、暴力を受けたくないから、「I am sorry」と言う子ども。

それでも虐待は止まらず、

ある日、地下に投げ込まれる。

身体は傷だらけで、起き上がる元気がもうない状態。


その後です、もっと怖いのは、

その家の子どもたちが、母親の真似をして、

シルビアの手に煙草の吸殻を押し付ける。

その内、友だちを連れてきて、それを見せ、

「やれ!」という、

最初は戸惑う友人たちが、

とにかく全員、それをやる。

誰も、どの大人にも通報しない。


この映画では、

シルビアのナレーションで始まる。

そして、始まりの部分で、シルビアはすでに亡き人である事が分かる。

だから、

彼女が助かることを望んでは観続けることが出来ない。

だから、途中で観るのを辞めたくなった。

それほど酷い。


人は、そういった状況に追い込まれると、

理由なく、他人を傷付けることが出来る。

それは心理学でも学ぶことです。


今年観たドイツ映画『es「エス」』も

このような心理状況を実験を通じて描いた。

あれも恐ろしい映画でした。

しかし、この映画のもっと恐ろしい点は、

これが事実であるということ。

そして、それが無垢な子どもたちの間で行なわれていくこと。


「NO」と言うことの勇気。

100人中99人が「YES」と言っても、「NO」だと思うならば「NO」という勇気

それをなるだけ若いウチに身に付けられたらいいと思う。

そのことで、集団によるいじめのような悲惨な事件が少しは減るかもしれない。


そして児童虐待。

大人の前では全く無力な子どもたち。

最近、日本でも幼児虐待で亡くなった子どもたちの事件などが増えています。

周りの大人が、かなりお節介に関わってあげなければ、

彼らは「HELP」とは言わない。

そんな状況下、

ストレスフルでクレイジーな大人が増えている今。

やっぱり私たちはもっと横の繋がりを持つべきなのだと思う。

とりあえず、対して力のない私たちひとりひとりは、

せめて隣の家の人と顔を合わせたら会話する、みたいな

そんな出来ることから始めて行きたい。

まだ間に合うと信じて。