雲は流れた萎れた花が落ちた。それを拾い、掌に終わりの近い体温を僅かに感じる。それをどうする事も出来ない。鳥なら墓を掘ってやれるだろう。猫なら墓標を立ててやれるだろう。人ならば葬式に出してやれるだろう。花なのだ。萎れた花を掌から落とす。音もせず、萎れた花は落ちた。それを悲しむ者はこの街にはいない。希望という名前の子に会う。何と読むのか聞き忘れた。別れた後に気付いた。今度尋ねよう。