久坂部羊著
朝日文庫 「老乱」
背表紙には老い衰える不安をかかえる老人と、介護の負担でつぶれそうな家族。介護する側も視点だけでなく、認知症になった老人の心も動きも細やかに描き、親とこの幸せのかたちを探る。
と書いてある。
随分前に通販のお買い物カゴに入れておいて、読もうかどうしようか迷い、ポイントも貯まったことだし…とポチッとした。著者は在宅医療を知る医師だそうだ。
読み始めたらやめられなくなり、一気にに読んでしまった理由は、なんといっても認知症となった老人の心理がリアルで、胸に迫る。
ドキュメンタリーの中にどっぷりと嵌まり込んでしまったような気持ちになりながら、それを言うから…などとつぶやきつつ、それでもやっぱりレビー正体型はしんどいなと思ったり、こんなふうに見えているのか、と気付かされたり、当分忘れられない話になったことは間違いない。