自粛!なんて言っている間に、半年がたつ…2020年

マジか、本当であれば東京オリンピックで賑やかしい筈だった東京、

そしてその余波も来たであろう神奈川

こんなに静かな、というかボチボチの騒がしさで過ぎていくとは、

取り敢えず私にとっては想定外だった。

そんな6月も終わり、7月からはあちらこちらで私も動き出す予定、ということでその前に、

短歌、書き留めておこう。

 

橋渡りひとつ区境過ぎ行けば下町の香は潮の香となる

 

ロックでもJポップでも演歌でも変幻自在の君こそ歌い手

 

腕時計裏刻まれたイニシャルは今も消えずに肌に隠れて

 

日傘差しマスクを付けて黙々と歩く我が身は修行僧のよう

 

知人より十年日記贈られて既に七年デスクで眠る

 

ハイビスカス小さな鉢に入れられて窮屈そうに蕾が並ぶ

 

カオマンガイパクチー多めで注文す昼時の街に異国の香り

 

川沿いに紫陽花の咲く梅雨空も今日は一旦小休止して

 

父の日に黄色い薔薇の和菓子推す新聞記事に君の頷く

 

王国は砂上のように脆いのだ外敵居らねば崩れるほどに

 

握手した温もりだけが残されて何年たっても消せないでいる

 

走り去るママチャリの荷台黒い箱気付けば道路は自転車天国

 

パクチーをひとつまみほど加えたら味覚嗅覚アジアの喧騒

 

冷蔵庫隅に忘られし瓶詰の賞味期限は平成の日付で

 

気が付けば安全神話蘇り争い続く神宿る島

 

冷蔵庫半分残るりんごありかじるには大きく分けるには小さい

 

人知れず咲き続けているヒルガオの淡いピンクは物憂げに揺れた

 

唸り声のように響く遠雷に怒り鎮めん雲間輝く

 

投げられしボール静かなマウンドに放物線描き試合終了

 

公園へ向かう道ひとつ間違えて異界のような街並み彷徨う

 

てにをはって難しい、そして結構詠んだ時のことが思い起こせる歌が多かったな今回は。