個人的には、オーストリア再訪がメインイベントだった4月、それも過ぎれば過去となる。全くもって全ては光陰矢の如し、

そんなちょっと虚しさも秘めつつ、綴った短歌を書き留めておく。

 

降り立てば異国の空気異国の香すれ違うごと世界が変わる

 

地図広げ位置確認をしたいのに東西南北私のと違う

 

モクレンの花この地でも紫に輝き揺れる同じ世界と

 

時を経て壁面の像変わらずにベンチの色だけ少し褪せてる

 

我ら皆地球の民とし生きており雲ひとつなき空は続いて

 

ラテン語で歪な真珠の意味ありとバロックの説明ガイドが語る

 

討議では勝ち負けでなく幾らかの合意に導く手腕問われし

 

失いて気付く重さを映像の向こう側から拾い集める

 

部屋隅に積み上げられた本の山10連休で踏破できるか

 

薔薇の香が漂うような庭園の写真一枚数多のいいね

 

蝶々が飛び交うツツジ咲く路地は静かに歩く邪魔しないよう

 

疑似家族バーベキュー後の写真では君の笑顔が眩しき一昨年

 

元号が変わるを楽しむ今世が稀有の時代と云われることなく

 

異国での写真数枚載せし後伝えたきこと書けずに閉じる

 

我が帰国待ってたように雨が降るジメジメしとしと少し懐かし

 

十五年前まで通った仕事場も歌壇の並ぶ街角となり

 

旅の途中でも結構詠んでいたこと、改めて気づいた。

日記的な歌ではあるけれど…