一ヶ月ほどの間に次の仕事を探さなければならない現実、日々求人誌を見ながら履歴書を送る毎日だった。


と、以前働いていた企業の子会社である部品メーカーの日本法人が営業事務を募集しているのを発見、それまでの経験から普通に履歴書を送っただけでは絶対に無理だと思った私は、まだ同じ会社で働いている知り合いに連絡し紹介してもらおうと考えた。
そしてどうにか営業事務を必要としていた部署の部長に連絡がついたのだが…
時既に遅く、営業事務の求人は終了してしまっていた。


けれど数日後、知り合いからの連絡で同じ会社で秘書の求人が出たことを知った。

以前の職場では同じフロアで見知っていた男性がその時既に会長となっていたこともあって、即答に近い状況で採用が決まった。
本国への連絡手段(当時は専用回線によるテレックス)やファイリング時のコード番号も同じで仕事のやり方は似通っていて、正直新しい会社への就職というより別部署に移動した、という程度の違いだった。


子供のことで遅刻、早退、休暇、が発生することは相変わらずだったが、仕事上では充分に働いているという自覚もあったし、会社側もそれを承知で採用しているということもあり、焦りはほとんど感じる必要はなかった。


転職してしまったけれど、ここでの2年間は本格的な職場復帰、社会復帰へのリハビリとしてとても大切だったと思っている。