我が家の近くにl小さな機器メーカーの工場がある。

工場といっても多分一人一人が工作機械を操りながら一台の装置を作っていく、といったところらしい。

朝の出勤時間が私が出かける時間と合っているせいか、坂の途中で何人もの男性とすれ違う。

昨年の春、その中にいかにも高校を卒業したばかりの男の子がいた。

見るからにけだるそうに、スニーカーを引きずりながら歩くその姿に、この子は続くのかな?と気になっていた。

その彼が数ヶ月経ち夏が過ぎる頃から、変わってきた。

歩き方が変わり、スクールバックがデイパックになり、顔立ちもしまってきたのだ。

年明け仕事が始まった先週、彼は新しいダウンのコートを羽織、勢いよくすれ違って行った。


仕事を続けることで大きく成長して自信をつけてきたに違いない彼を何だか羨ましく思った。