君、最近この恐い話編集部評判イイらしぃ~よパー
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まぢッすか??
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ならこの勢いで企画部への移動とかないっすかねぇ~
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それはないと思うよ!!!
 
 
 『さびがとれない』
 
その頃ぼくは、北海道のH市の高校に通っていた
 
この学校は、校舎のほとんどが新築だったが体育館だけは、古いままで、新校舎の裏から
長い渡り廊下を渡った所に建っていた
 
体育館のわきには、古風な茶室があって、運動部が合宿する時の宿泊所になっていた
また、渡り廊下を挟んで茶室の向かい側に今は使われていない石炭小屋があった
 
この石炭小屋は昼間でもなんとなく薄気味悪い建物で、
生徒達は、この渡り廊下を通る時はなるべく見ない様にして渡っていた
さて、その夏もぼくらのバスケ部は、茶室で合宿をしていた
 
一通りの練習を終えて、夕食を済ませると明日に備えて全員早めに床についた
 
真夜中になってぼくはトイレに行きたくなり目を覚ました
だけど、一人で渡り廊下を渡りトイレに行く気になれずに、隣で寝ていたキャプテンのA君を起こした
 
『なんだよ』
『ちょっとさぁ、トイレ行きたいんだけど渡り廊下を一人で歩いて行くのが嫌で…』
『仕方ねぇなぁ~、ついでだから俺も行くよ』
 
と、しぶしぶ起きたキャプテンと二人でトイレに向かった
昼間でもちょっと気味の悪い渡り廊下を、
ミシッ…
 
ミシッ…
と渡り石炭小屋のわきまで来た時だった…
ギィィ ギィィ ギィィ
 
金属を擦る様な妙な音が小刻みに聞こえて来た
 
ぼくは思わずキャプテンのA君に抱きつき震えた
その音と一緒に、
 
『さ、錆がとれない…さ、錆がとれない』
 
と、か細い人の声も聞こえてくる
ぼくはもぅ、足がすくみ震えるばかりだった
その時A君が
『だ、誰だそこに居るのは!!!』
 
と小屋に向かって大声を張り上げた
すると、音も、声もぴたりと止み静まった
 
聞こえるのは虫の鳴く声だけだ
幾日かして、ぼくとA君は古くから努めている用務員のおじさんから、こんな話を聞いた
 
『あれは太平洋戦争の末期というから、昭和二十年前かな?ここに、陸軍が駐屯していたんだ。その部隊には、少し足の不自由な兵隊さんがいてね、いつも上官から『のろま』『ぐずな奴』などといじめられていた』
 
『ある時、その兵隊が上等兵から『銃の錆び落としをしてろ!!』って言い付けられて、銃に鑢をかけたんだね。ところが、その兵隊の磨いた銃を見て上等兵は、『やい、なんだこれは!!!』『これでも磨いたとでも言うのか!!ちっとも錆が取れておらんぞ この役立たずが!!』
 
『と、こっぴどく叱りその兵隊をあそこにある石炭小屋に閉じ込めてしまったんだ。ところが、運悪くその日は大空襲があってね。他の兵隊達はみんな逃げ出したんだが、あの兵隊だけは石炭小屋に閉じ込められたままだった。幾日か経ってから閉じ込めた兵隊のコトを思い出した他の兵隊達が石炭小屋を開けてみたら、その兵隊は既に死んでいたんだよ』
 
『それからだよ、あの小屋の中から鑢を擦る音と、
『さ、錆がとれない』と言う声がする様になったのは…』
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さてと、帰りますかねぇ~
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