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・カブくんからのお礼

 

ミラクの話によれば、フォーアッシュフラワーはまだ見つかっていないという。

 

彼だけでなくイデアも、あのデストロイアでさえもその花を見つけられていないということだ。

 

過去にいれば彼らの存在が消えることはない。

 

しかし、フォーアッシュフラワーを見つけることができなければ彼らの存在は未来で消滅してしまうだろう。

 

また、フォーアッシュフラワーとよく似た見た目をしているフーリッシュフラワーの存在もこの問題を複雑にしていた。

 

フォーアッシュフラワーを津かっって作った薬を飲んでしまった者は、頭が悪くなってしまうのだ。

 

白石梨乃はにミラクに向かって聞いた。

 

「ねぇ。何であの南瀬ほのかが幸福の戦士、デューグリュックなのよ。あの子危なっかしくて見てられないわ。」

 

「そうだね。僕も最初は不思議に思ったよ。でも、彼女なら世界中の不幸を救えるかもしれない。」

 

梨乃は静かにミラクを見つめた。

 

その頃、月島伊吹は公園で土を掘っている少年を見つめていた。

 

少年は5cmほど土を掘った後カブトムシの死体をその中に埋め、そっと土をかぶせた。

 

少年はカブトムシやクワガタが好きでそれを家で飼っていた。

 

ある日、早朝に昆虫採集をしていると地面に落ちて弱っている瀕死状態のカブトムシを見つけた。

 

少年はこのカブトムシに「カブくん」という名をつけ、大切に飼育した。

 

その結果、カブくんは徐々に元気を取り戻していった。

 

とは言ってももともと弱っていたのもあるのかもしれない。

 

カブくんは他のみんなより早く寿命を迎えた。

 

少年はカブくんの死を心から悲しんだ...

 

伊吹の心に「山の日」という言葉がふと浮かんだ。

 

そう、今日は山の日だった。

 

カブトムシを見てそれを思い出した。

 

普段は山の日などあまり意識しないが、少年がカブトムシの墓場を作っている光景は伊吹の脳裏に強く焼き付いた。

 

「その不幸、俺、いや、私が奪ってあげる。」

 

伊吹は静かに言うと少年の心の中に飛び込んだ。

 

「またあの女が現れたよ。」

 

セイちゃんがほのかに言う。

 

「マジカルトランスフォーマー!」

 

ほのかは少年の心の中に飛び込んでデューグリュックに変身する。

 

少し遅れて恵理と湊音も心の中に入ってきた。

 

「マジカルトランスフォーマー!」

 

「スタイルチェンジ!」

 

彼らもまたデューグリュックに変身した。

 

3人が不幸の残骸と闘おうとしたその時、何かが心の中に入ってきた。

 

それはピンク色の小さな黄色。

 

「あれは誰かの心。何かを伝えに来たみたい。」とセイちゃん。

 

ほのかがマジカルレンズを手にし、それに当てると少年とカブトムシが過ごした時間の幸福が流れた。

 

その時、不幸の残骸の動きが止まる。

 

不幸の残骸は暴れるようなことも無く静かに消え去った。

 

3人は無言で空中の一点を見つめる。

 

「カブトムシさんは少年に感謝の気持ちを伝えに来たんだよ、きっと...」

 

ほのかが静かにに頷く。

 

そう言った時のほのかはとても悲しそうな眼をしているように見えた...

 

 

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