その日から、私にとって地獄のような修業が始まった。

 

アノマニスのライバルたちとひたすら闘う日々だ。

 

日々一秒一秒という僅かな時間を惜しんで猛特訓を行ったことと強烈な運も味方して、私はどうにかアノマニスの中で生き残ることが出来た。

 

最後まで残ったアノマニスは私の他にもう一人いた。

 

彼の名前が分からないので、便宜上彼のことをKと呼ぶことにしよう。

 

彼と、そして私が、壮絶な闘いを制した最後のアノマニスになった。

 

彼との闘いのことを、私は鮮明に覚えている。

 

彼が幼い頃両親をなくしており、その事実に報いるためにもこの闘いに負ける訳にはいかないと言った表情やその時の情景までも...

 

私も両親を幼い時に亡くした...

 

しかもそれだけでなく大切な友達までも...

 

結局彼との闘いは紙一重の勝負で私が制すことになる。

 

彼もまたAランクのアノマニスなのであって、かつてないほどの強敵だった。

 

Kの顔を思い出すとあることに気づく。

 

彼は、彼の顔はあの男、西園寺かずとの面影にそっくりなことを...

 

彼とかずとはどのような関係なのだろうか。

 

そう考えて、はっと目が覚めた。

 

気づくとそこは、豪邸のような場所の室内...

 

しかも、戦闘のために使用するAIのようなもので周りが覆われている。

 

これは、まさか...

 

そう、それはかずと率いるエンハンスシステム...

 

目を開くとかずとが私を見下ろしている。

 

私が慌てて身構えるとかずとは動きを止めて静かに言った...

 

「待て。貴様が怪我をしている時に手荒な真似はしない。お互いに最高のコンディションの時に決着をつけよう。」

 

私はゆっくり頷いた。

 

私が豪邸を後にする際、かずとは私が遊園地で遭遇したサーパスはどんなサーパスだったかと尋ねた。

 

私は上級の女の姿をしたサーパスで、使う能力含め幽霊そっくりだったとだけ答えた。

 

その頃、鈴木奏多はあることに気づいた。

 

サーパスという化け物が出現する場所の法則性を何日にもわたって調べていたが、今のところこれといった規則性は見つかっていない。

 

強いて言えば直近の行方不明事件で行方不明になっているのは子どもが多いということくらいだ。

 

だが、過去の行方不明事件の資料を調べてみると似たような事件が以前も起こっていたことを発見したのである。

 

それは12年前3人の女子中学生が神隠しに会ったように消えたという内容だった...

 

不可解な点が多く、唯一分かっているのは行方不明者3人の名前だけだった。

 

七瀬雫、五十嵐ゆりな、皆川美月......

 

奏多の胸の中には何とも言えない漠然と何かが引っ掛かる気持ちがあった...