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※本記事には一部グロテスクな表現?が含まれています。苦手な方はご注意ください🙇‍♂️


・偏見の眼差し

 

室内には耐えきれないような静かな沈黙が流れた。今まで味わったことも無い静寂に包まれた静かな空気。

 

彼は拳銃を手にしていた。まるでゴミを分別するかのような、冷めた目つきで、彼は施設の中の彼らを意識的に選別した。

 

冷ややかな視線は明らかに彼ら1人1人を選別していた。

 

地震の偏見に基づいて、弱者と判断した人間に対して、彼は愚かにも引き金を引いた。

 

辺り一面が赤く染まった。

 

そこに残ったのは、深い悲しみと絶望であった。

 

施設の職員が彼に行動をやめるように懇願した。

 

しかし、その効果も限りなく虚しく松村は彼を縛り付けた。

 

思う存分暴れたあと、彼はその場を撤退せずに、大人しく警察に連行された。

 

デストロイアーが現場に到着した。

 

「ソノフコウ、キュウシュウスル、ソノフコウ、キュウシュウスル」

 

悲惨な光景を目にしても尚顔色一つ変えずに、何食わぬ顔で不幸を吸収した。

 

「マジカルソードブレイク!」

 

不幸の残骸は湊音の攻撃を見事にかわした。

 

人気俳優の心の中で3人は沈黙していた。

 

傍から見ればまるで太陽のように輝いている彼も、誰にも言えない孤独な悩みを抱えていたことを知った。

 

表舞台で輝きを放つ陰で、何度も自身の心の中の闇と闘っている彼の姿がそこにあった。

 

マジカルレンズを通して、彼は過去に何度も人生を終わらそうと試みていたことが発覚したのだ。

 

「ほのか、恵理、湊音、急いで。途轍最中大きな不幸を別の場所で感じる」、とセイちゃん。

 

別の場所では梨乃と海翔がもう一体の不幸の残骸と戦闘を繰り広げていた。

 

「他の場所で、とてつもなく大きな不幸を感じるわ。」

 

「僕もそう思います。とっとと片付けちゃいましょう。」

 

「ブレイクスルーフィニッシャー!」

 

ようやく息があった2人の若き天才の前にして、敵は誰1人としていなかった。

 

2人より少し遅れて、ほのかたちも不幸の残骸を浄化した。

 

「マジカルソードブレイク」の2発目とお馴染みの「マジカルツインバースト」の合わせ技である。

 

5人はこの戦いで体力を限りなく消耗したが、急いで問題の場所に向かった。

 

そこでは月島伊吹が身体を張って不幸の残骸の外部への脱出を防いでいた。

 

「おせぇぞ、テメェら」

 

伊吹が言葉を発した一瞬の隙をついて、不幸の残骸は心の外に脱出した。

 

伊吹も含め6人が外に出るとそこには目を覆いたくなるような光景が広がっていた。

 

倒れている大量の人々。赤く染まった床。

 

不幸の残骸は一体だけではなかった。

 

無数の不幸の残骸が廊下を占拠していた。

 

彼らは真っ黒な同体で色が付いていた床を覆った。

 

「これは厄介ね」と梨乃。

 

「ミラクルフィーチャーフィニッシュ!」

 

試しに必殺技を放つ。

 

彼女の予想通り、矢は彼らの艶を帯びた不気味な褐色の身体にいとも簡単に跳ね返された。

 

「それなら、海翔、もう一度力を貸して!」

 

「任せろ!」

 

「ブレイクスルーフィニッシャー!」

 

鈍い音と共に大きな爆発が起こった。

 

しかし、次の瞬間包まれた煙の中から現れたのは無数の不幸の残骸たち。

 

彼らはだれ一人として消滅していなかった。

 

「そんな...」

 

2人の変身が解ける。

 

2回連続短時間の最大火力の必殺技の使用により彼らの体力はもはや限界に達していた。

 

「しまった、囲まれた」と恵理。

 

伊吹がライフルを発砲するが、不幸の残骸たちは全く動じない。

 

無数の糸が伸びてきて、6人の身体を拘束した。

 

梨乃と海翔が顔を歪める。

 

変身した状態でも体が動かせないような丈夫な糸なのだ。

 

人間の姿のままで縛り上げられてはひとたまりもない。

 

身体が不自由な中渾身の力を込めて湊音が叫んだ。

 

「障害を持っている人が不幸だなんて言うのはただの偏見だよ、松村さん。俺だって、似たようなものを抱えながら生きてるけど、諦めなければ必ず幸せになれるんだから!」

 

湊音の強い気持ちが力を読んだ。

 

炎に燃える複数の剣が空中を飛び交う。

 

「プログレスソードファイアー!」

 

剣は6人の拘束を見事に断ち切った。

 

「あちちっ、こりゃ駄目だ」と海翔。

 

施設はたちまち燃え上がる炎に包まれた。

 

「マジカルバリア!」

 

恵理が燃え上がる火を食い止めて時間を稼ぐ。

 

「みんな、いったん逃げるよ!」

 

炎を防いだバリアを消すと大きなバリアを作りそれを天上から下に向かって皆を押しつぶすかのように重ねた。

 

バリアが皆を貫通すると、彼らは外に出た。

 

「あのバリア、こんな掴板も出来るのか」と伊吹。

 

「梨乃さんが、必殺技を連続で使おうなんて言うからこんなことになった。」

 

「何よ、あたしが悪いって言いたいわけ?」

 

傷だらけでも言い争いが絶えない梨乃と海翔。

 

「それより、あれをどうにかしなくちゃ。」

 

遠くで燃え上がる施設を目の前にして立ちすくむほのか。

 

「俺がどうにかしてみます。自分でやったことだから。」

 

湊音はそう言うと手に持っている剣に力を込めた。

 

次第に力が伝わるにつれて、剣に炎が吸収されていく。

 

最後まで吸収を終えると、彼の変身は自動的に解除された。

 

この技は体力を凄まじく消耗するのだ。

 

施設に残っていた人も助かったし、全焼するのもどうにか防ぐことができた。

 

だが、まだ彼らには最大の課題が残されていた。

 

不幸の残骸を取り逃がした...

 

心の中から出てしまっては、検索して見つけることもままならない。

 

放っておけば、彼らは幸福を求め、一般市民に危害を加える...

 

 

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