フォローしてね

 

・感情の欠落

 

いつもの授業に全く持って身が入らない。

 

上条たくとも、平林莉子も、なぜあのような最期を迎えなければならなかったのだろう。

 

確かに、彼らはデストロイアの手先だ。

 

それは分かってる。でも、私には彼らが根っからの悪い人だとはどうしても思えなかった。

 

もっと違う対応ができていれば、彼らが命を落とす必要はなかったんじゃないか。

 

対話の道を探ることだってできたんじゃないか。

 

心の中で自問自答を繰り返す。

 

どの授業でもそのことばかり考えてしまい、まさにうわの空と言った状態だった。

 

デストロイアは自分の手によって人々の心から不幸を奪うロボットを作り上げていた。

 

人間には必ず感情というものがある。

 

これは非常に厄介なものだ。

 

上条たくとや平林莉子の事例のように、感情は時として作業の妨げになる。

 

その点、感情を持たないロボットならばその日の気分に影響されず淡々と作業を実行できる。

 

彼は、ロボットを作り終えるとそれにデストロイアーという名前を付け漫勉の笑みを浮かべた。

 

デストロイアーにより不幸の検索が始まった。

 

世界中の何件もの不幸が同時にヒットする。

 

デストロイアーはその中で一番大きな不幸に目を付け、解析をし始めた。

 

男と女の映像が映る。

 

30代くらいの男が車に轢かれる。

 

女が悲鳴をあげる。

 

愛する人が目の前で傷付く不幸...

 

感情のある人間にとってはとてもショッキングなことだ。

 

恋愛、人を愛する心というのは人間にとっての最高次の感情であるから当然である。

 

しかし、ロボットには感情がない。

 

なぜこの状況が不幸なのか理解しているのかどうかも疑問だ。

 

ただ、現在観測された中で不幸の量が一番多いデータをターゲットにしたに過ぎない。

 

デストロイアーは表情一つ変えずに機械音を出しながら彼らの不幸を吸収する。

 

「ソノフコウ、キュウシュウスル、ソノフコウ、キュウシュウスル」

 

女の心の中から不幸が奪われる。

 

しかし、この時中学校ではまだ授業が行われていた。

 

小学校での1日を終えて将棋の研究をしていた海翔だけがただ1人動ける立場にあった。

 

海翔はすぐに例の女の心の中に駆け付けた。

 

目の前には不気味な機械音を一定のリズムで発している2体のロボット。

 

1体は金属でもう1体はプラスチックだ。

 

恐らくプラスチックの方が不幸の残骸だろう。

 

プラスチックのロボットが勢いよく襲い掛かってくる。

 

海翔はデューグリュックに変身すると必殺技のサグレットアタックを放って不幸の残骸を倒した。

 

金属でできたロボット、またの名をデストロイアーは海翔の変身と必殺技をデータに読み取り終えていた。

 

実は、このロボットが作られた本当の目的は、幸福の戦士たち5人の技や戦い方を分析して、弱点を把握することなのだ。

 

「イチノセカイト、サグレットアタック、ブンセキカンリョウ」

 

デストロイアーの狙いに気付いた海翔。

 

「おい、待てよ!」、そう言ってデストロイアーに向かってもう一度必殺技を放とうとするが、時すでに遅し。

 

そのロボットの姿はもうそこにはなかった...

 

 

 

フォローしてね