・想いを込めて

 

 文学というのは不思議なものだ。日本の最古の物語と言われる「竹取物語」や世界最古の小説と言われる「源氏物語」、あるいは「ドラえもん」、「サザエさん」のような国民的アニメでも良いけれども、それらは時代を超えて我々の心の中に生きている。

 

時代が違えば価値観や生活様式は違うかもしれないが、事の本質というものは変わらない。

 

歴史に名を残した作品はどんな時代の物でも、私の心に強いメッセージを訴えてくる。

 

そのような作品を読んでいると1つの共通項があることに気づく。

 

それは人を想う気持ちである。

 

男女間の恋愛感情をはじめ、BLや百合のような同性愛、或いは友情や絆と言った類もこれに含まれるであろう。

 

400年後、500年後の未来が果たしてどのようになっているのか、この時代に生きている誰も知ることはできない。

 

しかし、私は事の本質というのはそれほど大きく変わらないのではないかと直感している。

 

自分の書いた文章がどんな形であれ、後世に伝わることを祈る。

 

その意味で、この文章は400年後、或いは500年後の未来に向けて書いているということが出来よう。

 

私が今から書こうとしている小説は私の人生観そのものである。

 

これまでいくつかの創作活動を行ってみた感じ、どうやら私には文才というものがあまりなさそうだが、それでも自分の心の中の想いを込めて文章を書くことをやめることは出来ない。

 

時代が如何に変わろうとも、事の本質を見失ってはならない。

 

事の本質を精神の世界から取ってくるために、私は大げさに言えば、命を削って文章を書かねばなるまい。

 

この物語を最後まで書き上げることは、大きな試練になり得よう。

 

しかし、命を削ってでも文章を書きたいと思うのだから、これを書かないわけにはいかない。

 

これから私が書く文書が、良い形であれ悪い形であれ、人間社会に語り継がれれば幸いである。

 

 

                                   2024年6月30日 finalphase