ディプラ・ボンザが鬼のような形相で奏多たちに襲い掛かってくる。
五十嵐ゆりなが弓を放つがそれはボンザの刀によって弾き飛ばされた。
西園寺かずとが時空から剣を取り出し、ボンザと一騎打ちに出る。
しかし、真正面からの力勝負ではボンザの方に圧倒的に分があった。
かずとの剣もボンザの刀によって弾き飛ばされた。
奏多がボンザに向かって銃を発砲するが、そのダイヤモンドのように固い身体は弾丸を受け付けなかった。
ボンザが渾身の蹴りで、西園寺かずとと五十嵐ゆりなを突き飛ばす。
2人は谷底に向かって落ちていった。
ディプラ・ボンザは最後のミーティア、鈴木奏多とも一騎打ちに出た。
突出した身体能力と、ダイヤモンドのように固い身体、真正面からのぶつかり合いならだれにも負けない。
ボンザは奏多に強烈なパンチを浴びせた。
奏多の身体は後方に吹き飛び、先程までまとっていた光が消えた。
つまり、ミーティアの姿から元の人間の姿に戻ったのだ。
ボンザは彼の身体から離れた神秘的な色の宝石をキャッチした。
そして、宙に浮く奏多の身体を地面に向かって蹴りつけた。
「フッフッフ。 ついに光のデバイスを手に入れたぜ!」
ボンザは勝利の雄たけびの声を響き渡らせた。
その頃、私、綾崎梨菜は青空公園に向かっていた。
そこは幼いころに良く家族で言ったことがある、自然豊かな公園だ。
私の家からそこに行くまでにはそこそこ時間がかかる。
そこにたどり着くまでの道のりはいろいろあるけれども、いつものように一番ひとけが少ない道を辿ろう。
自然を身近に感じながら、青空公園までひとけのない道を歩く、それが綾崎梨菜の休みの日の些細な楽しみになっていた。
いつものようにルンルン気分で道を歩いていると、遠くに人影のようなものが倒れているのが見えた。
恐る恐る近づいてみるとそれは幼い少年のように見えた。
しかし、実際の年齢はもっと高いのだろう。 大学生くらいだろうか?
幼いというのは顔の話だ。 あどけない瞳はどことなく純粋な心を持った少年の姿を連想させる。
「大丈夫です。」と声を掛けようとして、梨菜は少し驚いた。
というのも、彼が普通の人間ではないということが分かったからだ。
彼の身体からは緑色の体液が溢れ出していたのだ。
「宇宙人」という言葉が一瞬脳裏によぎる。 いや、まさかね...
立ちすくんでいると、後から声を掛けられた。
「あんた、何して...」
梨菜は一瞬心臓が止まるかと思うほど驚いたが、振り向くと見慣れた姿がそこにあった。
如月美桜。 梨菜の友達の1人である。
彼女もまた、そこに倒れている少年のような面影を持った青年の姿を見て言葉を失っているようであった...