人間と、エンハンスシステムの融合。

 

正確にはヒューマノイドエンハンスシステムという。

 

それを装着したかずとが、サーパスに立ち向かっている。

 

銃を発砲するが、それはサーパスの体を通り抜けてしまう。

 

なんて奴だ、どんな攻撃も受け付けない...

 

サーパスがかずとに近づいてきて不気味な声で謎の呪文を唱える。

 

「ボラゴンガ ジャバリンス ブリヌンバ」

 

その瞬間、辺り一面のものがかずとに向かって飛んできた。

 

だが、それは彼の目の前で弾かれる。

 

ヒューマノイドエンハンスシステムの強みは何といっても防御力である。

 

攻撃力がそこそこでも防御力が完璧なら最悪の事態は免れる。

 

また、ヒューマノイドエンハンスシステムはサーパスの能力を分析することが出来る。

 

どうやら目の前にいるサーパスは見た目通り幽霊のような力を持っているらしい。

 

1つは呪いをかけて人に不幸をかける力。

 

もう1つは、どんな攻撃も受け流してしまうことだ。

 

では、このサーパスの弱点は何か。

 

それは光だということが分かった。

 

更に、このサーパスは目だけは攻撃を受け流す能力がないことが分かった。

 

かずとが強いフラッシュをたくとサーパスが呻き声をあげた。

 

サーパスがひるんだのを見て、かずとはサイコキネシスによりサーパスの目に向かって、雷を浴びせた。

 

サーパスは呻き声を挙げて消滅した。

 

かずとがヒューマノイドエンハンスシステムの実証性を証明した形である。

 

 

その頃、4人のサーパスによって話し合いが行われていた。

 

ルド・ミンナ、ディプラ・ボンザ、ゴジパ・ボブジ、エミル・キピータの4人である。

 

この4人はサーパス中心の幹部であった。

 

ルド・ミンナが言った。

 

「厄介なアノマニスが2人も出てきた。もう考えている時間はないわよ。フェルド様を復活させようじゃないの。」

 

他の3人も黙って頷く。最早手段は選んでいられない。

 

4人の人生は苦労と後悔の連続だった。サーパスにだってなりたくてなった訳ではない。

 

ただの化け物に何の利益もなくなりたい人など1人もいない。

 

4人とも心の底ではヒーローに憧れている。

 

子どもの頃、仮面ライダーやウルトラマンなど、ヒーローに憧れたことは誰でもあるだろう。

 

彼らもそんな子どもたちの1人だった。

 

だが、ヒーローが輝いているのは、ヒーローにはなれない者たちが沢山いるからとも言える。

 

輝いている人たちがいるというのは、その他大勢の屍が犠牲になっているのとイコールなのだ...