Bluedogsの特徴はライブの機材セッティングにありまして、ギターもベースもシールド一本でアンプ直結、エフェクターというものを一切使用致しません。僕の場合、プレシジョンベースを最近導入したヌードケーブルという逸品でアンペッグの500 Wのベースアンプに突っ込んでおしまい。セッティング所要時間は1分。トーンコントロールはベースもミッドもトレブルも全部フラット。一切つまみは操作せず、イコライザーも使いません。プレシジョン→アンペッグのそのまんまの音が一番気分がイイわけで。

プレシジョンとアンペグの組み合わせといえばなんといってもドナルド・ダック・ダン。ま、色々あるわけですが結局この音が軽音楽におけるベースの原点にして頂点だと固く信じております。

リードギタリスト戸倉隆氏はヒジョーにアンプにこだわる方でして、オールドのフェンダーベースマンのアンプとキャビネットに加えて、これまたオールドのローランドのテープエコーをかたくなに使っています。何も名器なのですが、なにぶん古い製品であるため頻繁にトラブルが発生します。

僕も本当はオールドはアンペッグのアンプを使いたいのですが、値段は高いし重量はあるし、ライブの現場での実用性と安定性を考えると、現代アンペッグでイイや......と割り切っております。クラスDのデジタルアンプでも、音は伝統的なアンペッグのそれを模してあるので、ライブで大きな音で鳴らす分にはほとんど問題を感じません。

先日のライブでも直前のリハーサルでベースマンにトラブルが発生しました。「現代アンプでもフェンダーベースマンの音が出るのが探せばきっとあるんじゃないの?」と戸倉さんに言うのですが、「気分の問題だから」ということで、腕の良いアンプ職人に依頼して全面的に修理してもらったそうです。

音楽演奏は結局のところ気分の問題。これはまさにその通りであります。僕にしてもライブハウスにアンプヘッドを持ち込むのは割と面倒くさいので、Bluedogsの初期の頃はハウスにあるアンプヘッドをそのまま使っていました。ところが、音の好みはもちろんですが、アンペッグでないとどうも気分が出ないんですね。気分が出ないとノリも出ない。ノリが出ないとせっかくのライブが楽しくなくなります。

ということでライブはアンペッグ一本やりなのですが、自宅での練習アンプとしてはこれまで小型軽量で便利なフィルジョーンズのCUBというのを使っておりました。自宅練習用として定評のあるアンプですので特に不満はなかったのですが、これからは自宅練習時点から気分を出していきたいという欲求が「もくもく村のケンちゃん」のように湧き上がってきまして、何が手頃なアンペッグの小型アンプがないかなと物色しておりましたら、ございました! SVTのルックスをそのままに小型化したマイクロCLというのがそれであります。


これがそれ。

自宅の機材コーナーにすっぽりと収まるサイズ。小型小出力ながらしっかりとアンペグの音が出ます。ヘッドとキャビネットが分かれているのもそれっぽくてイイ。

家でベースを弾く時はライブで使用するプレシジョンではなくフレットレスのジャズベースを使うことが多いのですが、とりあえずThe Chikenのフレーズを弾いてみますと気分はジャコ・パストリアス。ポータブルミュージックプレイヤーをつないでブルースブラザースのShake Your Tail Featherを聞いてみますと気分はダックダン。

来年は家でもっとベースを弾きこもうと思います。