そろそろお仕事が始まるという方も多いと存じます。そこで、通勤中に読む本をいくつかお薦めいたします。たまたま全部僕が書いたり関わった本になっておりますが、それはこの記事が100%ピュアー、まじりっけなしの純粋な広告宣伝だからでありまして、その辺、あまり深く考えないようにお願いいたします。

 

 


「良し悪し」がキライで「好き嫌い」がスキ。人の好き嫌いを知るのが大好物の僕がイイ仕事をしている方々と「好き嫌い」についてのみ雑談していく対話集。2冊合わせて本棚においておくとキレイ。そういう凝った装丁になっております。

 

優れた企業の戦略ストーリーも、プロフェッショナルを作り上げるのも、最強の論理は「好き嫌い」にある。本書は、ロングセラーの『「好き嫌い」と経営』と『「好き嫌い」と才能』を合本化したものである。日本を代表する経営者・プロフェッショナル33名との対話を通じて、経営や仕事の淵源に迫る。ここでしか読めないあのカリスマたちの実像が明らかに。登場人物:永守重信、柳井正、大前研一、為末大、中竹竜二など。

 

電子書籍では合本版も出ています。

 

これがそれ。

 

 

NewsPicksで悪評紛々のうちに始まった連載にこれでもかこれでもかと加筆した仕事論。一応仕事と仕事生活の相談に対する僕の回答を話すという形式になっておりますが、その形式に仮託して言いたいことを言っております。

時の流れに身をまかせ、馬齢を重ねているうちに、僕はすでにキャリアの第三コーナーを回ってしまいました。自分の仕事生活を振り返って、つくづく感じます。ほとんどのことが思い通りになりませんでした。これからも間違いなくそうだと思います。どうせ思い通りにならないのなら、好きなことを好きなようにするのに若しくはなし。しょせん人間はなるようにしかなりません。第四コーナーを回りきってホームストレートに入った時、そこにどのようなゴールが見えるのか、いまはまだはっきりとはわかりませんが、これからもせいぜい好きなようにしていきたいと思います。読者の皆さんにおかれましては、本書がご自身の「好きなようにする」を再認識したり、再定義する きっかけになれば幸いです。好きなようにするその先に、充実したキャリアが拓けますように。(はじめにより)

 

 

随筆です。はじめは「経営についての随筆」というタイトルを新潮社に提案したのですが、「それだけはやめろ」と拒絶されたので「経営センスの論理」になりました。随筆なので統一的なテーマはありませんが、全体的に「スキルよりもセンスが大切なのではなかろうか」という話になっています。

 

 

今まで書いた中で個人的にいちばんスキな本。趣味と仕事の統合の実験。自分で読んでもわりと面白いので、今でもときどき読んでいます。

 

読んでは考え、考えては読む。本との対話に明け暮れた挙句の果てに立ち上る、極私的普遍の世界。楠木建の思考のセンスとスタイルが凝縮された一冊。

《著者からのメッセージ》
そもそも本書は普通の意味での「書評書」ではない。書評に仮託して、経営や戦略について僕が大切だと考えることを全力全開で主張するという内容になっている。ものごとの本質を抉り出すような本、僕の思考に大きな影響を与えた本を厳選し、それらとの対話を通じて僕が受けた衝撃や知的興奮、発見や洞察を読者の方々にお伝えしたい。僕の個人的なセンスなり趣味嗜好に引きずられた話なので、好みや体質に合わない方もいるだろう。その辺、ご満足いただけるかどうかはお約束しかねる。しかし、本書を読んでも「すぐに役立つビジネス・スキル」が身につかないということだけはあらかじめお約束しておきたい。

 

 

自分の本業でありますところの競争戦略について10年ほど考えたり話したりしていた内容をたもの。「私は経営学など勉強したことがない。何冊か手にとって読んだことはあるが、結局その逆をやればよいんだと思った」「経営はアートであり、演出の基本は意外性である」とおっしゃっていた故・藤沢武夫氏(元ホンダ副社)にも許容される本にしたいと思って書きました。

 

 

 

 

H. Itami, K. Kusunoki, T. Numagami, and A. Takeishi (2010), Dynamics of Knowledge, Corporate Systems and Innovation, Springer. 

マニア向け。表紙にある模式図が僕のイノベーションについての理解を示しまくりやがっているのですが、ヒジョーに込み入った概念的な議論をしているので、通勤中に読むには不適。温泉旅行のお供にいかがでしょうか。

 

 

大喜びでお手伝いしているみさき投資の中神さんが書いた本に大喜びで長めの解説を書きました。

本書では、経営者からは見えづらい投資家の本性や生態・分類を明らかにした上で、長期投資家の投資ロジックを全て公開。長期投資される経営と短期売買される経営の分岐点とはなにかを明らかにします。巻末には楠木建・一橋大学大学院教授による30頁超の「長めの解説」が。経営者にとっての本書の価値を、楠木先生独特の鋭くも軽妙な語り口で解説されています。「長期投資家が考える良い経営」が理解できます。

 

 

原書を読んで一発で解説を書く気満々にさせられた痛快無比の書。

 

これほど僕の喜びのツボを押しまくりやがってくる本は滅多にない。
――楠木建(解説より)
スコットランド発祥のBrewDogの奇跡のマーケティングを、創業者本人が語る!

BrewDog(ブリュードッグ)の経営の根幹は、"パンクの哲学"にある。
・始めるのはビジネスじゃない。革命戦争だ
・人の話は聞くな。アドバイスは無視しろ
・事業計画なんか時間の無駄だ
・嫌われ者になれ
・永遠に青二才でいろ
・すべてがマーケティングだ
・顧客ではなく、ファンをつくれ

 

 


『ビジネス・フォー・パンクス』のBrewDogもそうなのですが、企業モノの本は、こういうコクが深いヨーロッパの会社を題材としたものに面白いものが多い。いまさらアップルとかグーグルの本を読んでも、「あー、はいはい」ということになるわけですが、これは相当にクセがある面白い会社で、学ぶべきところが多く、解説を書きました。

 

派手で先進的なイメージとは裏腹に、経営の基本を忠実に守った、長期視点の「非アメリカ的」企業。それがレッドブルだ!

 

 

吉原英樹先生の味わいがフルに出た80年代の傑作。復刊に際して解説を書くという光栄に恵まれました。

 

『ストーリーとしての競争戦略』著者の楠木建氏が、自著の中で「僕の思考にある日突然、何の前振りもなく絶大な影響を与えた一冊」と絶賛。しかし、1988年発刊ですでに絶版になっていたため、入手するのが難しかった“経営戦略論の名著"を復刊。「ある日突然何の前触れもなく、僕の目を開かせてくれた『バカなる』の復刊を心から嬉しく思う。はじめは本棚の隅にあった『バカなる』だが、この十年間は僕の仕事場の机のすぐ近く、いちばん手にとりやすい場所にいつも置いてある。繰り返し読み込んだため、ボロボロである。新装なった『バカなる』を改めて読むのを楽しみにしている」(「復刊によせて(楠木建氏)」より)

 

以下は僕が監訳した本です。書籍解説もそうですが、僕は「これは……!」と思う本でなければ解説や翻訳をしないようにしております。僕と好みが合う人でしたら間違いなく面白く読めると思います。いずれも解説を書いています。

 

「のめり込むほど面白く、商売にとって何が大切か教えてくれる稀有な一冊」楠木建(監訳者)
全米中の「小さな会社」の事例から、経営の骨太の論理を引き出す! 「戦略」は大企業だけのものではない。むしろ小さな会社だからこそ戦略が生き残りを左右し、その手応えや課題をありありと感じられるのだ。3人の経済学者たちが1台のクルマに乗り込み、全米の町々で事業主たちに話を聞いてまわり、戦略の本質を学ぶ。

 

 

 

アダム・グラントはヒジョーにアタマがイイ人なのですが、フツーの人にとっての当たり前のことを切々と論じるスタイルがイイですねえ。

 

 

世界最高峰の研究開発機関SRIインターナショナルの実践知!コンピュータのマウスやインターネットのURL、ロボット手術システム「ダ・ヴィンチ」などを生みだしたSRIは、なぜ立て続けにイノベーションを起こせるのか? 試行錯誤を経るなかで体得されたイノベーション実現のプロセスを、「5つの原則」として解き明かす。

 

ということで、電通の安田部長、いかがでしょうか。