暫く前から母の体が不自由であるのに加えて、今年に入って父の手術だリハビリだなんだかんだとございまして、老父母の世話をするのが生活のルーティンとしてすっかり定着いたしました。ま、面倒を見てるこっちがもう初老なのですから当然にして当たり前の成り行きです。

こういう生活のイイところもありまして、それは何かと申しますと、両親の体調を気遣っているうちに、こっちの健康状態もわりと真面目に気にするようになるということです。

10年前にわり大きな病気をした後はしばらくの間真面目に健康診断を受けておりました。定期的に血液検査をしたり各種内臓に内視鏡をぶち込んだりしていたのですが、日曜の生活で特に問題がないのをいいことに、この数年はたまに血液検査をするぐらい。すっかりサボっておりました。

初老とはいえまだまだ働き盛り、これではいけないと薄々思っていたのですが、この手のことは機会がないとなかなかアクションを起こさないものです。

話は若干それますが、僕が大きな病気をしたのは42歳の厄年の時。もう10年前になりますが、このときは病気以外にも予想もしなかった厄介事が集中発生いたしまして、さすが厄年!世の中うまいことできているなあ...とかえって可笑しかったことを覚えています。

で、古い友人のT氏、彼女は僕よりもだいぶ若く、今が女性の厄年。今年になってやはり重大な病気が発覚。冬にこのことを突然聞いた時はびっくりしたのですが、春に大手術をしましてこれが成功。現在仕事復帰に向けてゆるゆると自宅静養中です。

で、一段落ついたということで、快気祝いの昼食の集いをもちました。色々と大変なことがあったとは思うのですが、会ってみると前と全く変わらず飄々としていて、普通に生活できる健康を取り戻した様子。僕も嬉しくなりました。

僕は前々から健康と平和こそがボトムラインだと固く信じておりまして、裏を返せばこの二つ以外のことは全部気のせい、気分の問題だというスタンスで生活しています。戦争と疾病、これはもうあからさまな不幸です。戦争は個人の力ではどうにもなりませんが、健康は日々の生活や心がけ次第である程度までは何とかなります。

で、先だって日本駐車場開発の方々と話をしていたときのこと。巽さんという商売の天才が経営する面白い会社であります。秀逸な戦略ストーリーが光る本業の駐車場の事業のみならず、スキー場の運営などなど様々な新規事業を手掛けています。

で、僕は知らなかったのですが、その中の一つに「丸の内ヘルスケアラウンジ」という医療と健康管理の複合施設があることが判明。場所も日本駐車場開発の本社オフィスと同じ新丸ビル。日頃営業車で動き回ってる僕としては、普段の立ち回り先にある便利な立地、しかも駐車場完備(もちろん運営は日本駐車場開発)のこういう施設は願ったり叶ったりでございます。

で、先日巽さんのところで仕事がありましたので、ついでに丸の内ヘルスケアラウンジによって久しぶりの血液検査をしてきました。ちょうど1週間後に新丸ビルで再び用事があったので、検査結果を伺ってきました。前と比べて特に良くも悪くもなかったのでまずは一安心。これを機会に心を入れ替えて、これからは4半期に一度血液検査を受けようと決意した次第でございます。

で、その時にお医者さまと話をしていて知ったのですが、最近はアミノ酸の出方に注目して、血液検査の腫瘍マーカーよりも早いタイミングで癌のリスクをチェックできる検査方法があるそうです。次回の血液検査の時はこっちもやってもらおうと、早速10月に予約を入れました。

3ヶ月後にまた検査があると思うと、体質改善のモチベーションがわずかばかりではありますが向上します。週3回のジムは今まで通りですが、好きな筋トレ&サウナだけでなく、水泳の方も前よりも前向きな気持ちでするようになりました。ジムのプールで毎回20分ほどゆーっくりクロールで泳ぐようにしているのですが、気持ちが前向きになると自然と水泳技術も多少は向上するようです。同じゆっくりとしたピッチで水をかいていても、前に進むスピードが速くなりました。

で、もうひとつが水素であります。1ヶ月ほど前、遊び仲間のユタカさんと雑談をしているときに「水素注射が効く!」という話を聞いてはいたのですが、それっきりになっておりました。ところが、つい先日、またしても仲間の集いで雑談をしておりますと、そこにいらしたSさんがユタカさんおすすめの水素注射をやって実際に膝の痛みがなくなったとのこと。俄然やる気になりまして、麹町の辻クリニックに行って参りました。

ハリを打つような感じで水素を患部に注射するだけ。所要時間はものの5分。これで本当に効くのかな?と半信半疑だったのですが、懸案の頚椎部分に何発か水素をぶちこんでいただきますと、筋肉がみるみるうちにほぐれて楽になりました。時間をかけてマッサージを受けるよりもずっと効率的です。水素注射は痛みの緩和にとくに効果があるということ。頚椎ヘルニアが悪化して首と肩の調子が悪い時はまた辻先生のところに参りましょう。

ということで、ドメスティックなもろもろを抱えつつも、初老とはいえいまだ現役、仕事は仕事できっちりやらなければなりません。いっときよりも量をセーブしているのですが(もともと十分にセーブ気味だったが、さらに総量規制の水準を強化中)、それでも一定量の仕事はしなければなりません。当然ですけど当たり前ですけど。

で、両親の世話をする生活が定着して以来、私生活でも極力活動の種類を少なくしようという方向で取り組んでおります。もともと非活動的なので特段の趣味もないのですが、ここにきてさらに何もやらない私生活になってまいりました。休日はとにかく外に出かけず、人とも会わず、dvdも借りに行かず、さすがに先日の参議院選挙には行きましたが、ひたすら自宅で完全休養。完全に廃人。完廃。完廃に乾杯!

やることの種類を少なくするというのがポイントでありまして、もともとテレビは見ませんが、このところは映画もほとんど見なくなりました。借りて来るのが面倒。ネットで映画見放題は便利かもしれないけれど、精神的に不健康。そういうものからは距離を置くようにしています。

その点読書は素晴らしゅうございますね、ええ。こういう生活をするようになって読書こそが最強の余暇の過ごし方であるということを再確認しております。体を動かさなくていいし、動かさないどころか寝っ転がっていてもいいし、ついでにかっぱえびせんも食べられるし、すぐに始められるし、いつでも中断することができる。いつでもどこでも本さえ持っていれば実行可能。電源不要の充電不要。どれだけ電波が弱いところでもへっちゃら。父の入院に付き添っているときは普段よりも多くの本が読めてむしろありがたかった。

読書とはちょっと違うのですが、最近好きでやっているのか「地図を見る」。世界地図でも日本の地図でもぼんやりと見ているだけでひょんな面白いことに気づいたり、普段は考えないようなことを想像したりするのでとても良い気分転換になります。今日は天草諸島の位置を誤解していたことにようやく気づきました。

音楽を聴く。これも読書と同様に即時開始即時中断可なので、ド中年になってますます重宝する種目。

最近特にスキなのが、音楽を聴くよりも自分で歌うこと。もちろんカラオケじゃございませんよ。ギターを弾きながら自分の好きな曲を歌う。で、自分で聴く。若干能動的な音楽鑑賞というわけです。これが何もない週末に欠かすことができない種目となってまいりました。本日はイーグルスとスティービー・ワンダーのナンバーから自分の好きなところを選んで小1時間歌いました。それにしてもスティーヴィーはコードワークが秀逸ですね。歌うと体が熱くなるので、夏は扇風機をかけるようにしています。

以前はヤイリの小さな旅行用のギターを使っていたのですが、このところ頻繁に歌うようになったため近所の楽器屋で安いヤマハのアコースティックギターを買いました。



これがそれ。いつも食堂のテーブルで歌っています。

ま、ことほど左様にこの歳になると人生なかなか自分の思うようにいかないことも多いのですが、それはそれ、だからこそ味わえる日常生活のコクというのが出てくるわけでありまして、ド中年生活もなかなか捨てたものではございません。キレはないけどコクがある。それが人生、これが人生。