インターネット革命っていうんですか、そういうものが僕の仕事にも確実に押し寄せておりまして、この数年というもの、メディアに書くものは量的にはウェブ・メディアがずいぶん多くなりました。ま、こっちがやっていることは紙のメディアとなんら違いはないんですけどね。


で、昨年ぐらいからちょくちょく寄稿しているのが、経済・ビジネスニュースに特化したキュレーション・メディア、NewsPicks。ここは有料会員向けのオリジナル記事が充実していまして、僕もしばしば書いています。大晦日には「商社3.0」という特集記事の最終回の原稿がリリースされました。



これがそれ(リンクで飛びますが、有料記事です。あしからず)。


で、今月はNewsPicks向けに仕込んだ記事が次々にリリースされます。先日ここでも触れました為末大さんとの対談もそのひとつ(1月4日から5日連続)。


NewsPicksでは「稼ぐ力のその中身」という不定期連載もしておりまして、これは紙の雑誌(『週刊東洋経済』)で昔やっていた「戦略ストーリーの達人たち」という(気が向いたときにやっていた)連載が引っ越したものです。そのときどきで僕がイイね!(というか、eeなあ!)と思った会社の戦略ストーリーとそれがなにゆえイイのかということを経営者との対談でご紹介するというもの。今月半ばには、このシリーズで中川政七商店の中川淳さんとの対談が掲載される予定。


もうひとつ、これまたこのブログでも触れたポーター賞2015の記事も今月中にリリースされるという気がします。


で、1月11日からは、佐山展生さん(一橋大学の僕の先輩同僚にしてインテグラルの経営者)と堀江貴文さんとの鼎談が、動画つきで7日連続掲載されます(有料記事)。


ハゲと堀江さんと佐山さん


この鼎談にはちょいとしたいきさつがあります。NewsPicksというのは、ちょっとみていただければすぐわかるのですが、出てくるニュースや記事に読者のコメントがつくようになっているんですね。で、だいぶ前のことですが、このコメント欄で佐山さんと堀江さんと僕との間にちょっとしたやり取りがありました。堀江さんが著名人であったために、ネット・ローカルには「軽炎上」になったんですね、これが。


もともとのやり取りは「論争」というほどのものではなく、言葉の定義のズレに端を発した食い違いでありました。


ところが、当事者になってはじめてよどみなく分かりまくりやがったのですが、ネットの記事の「炎上」というのは、「まとめサイト」とか称する言葉尻をとらえ過ぎる編集サイトがひたすら煽りまくる結果として出来(しゅったい)するものなんですね、ええ。


堀江さんとの一件にしても、複数の「まとめサイト」が「大戦争勃発」「バトル」「抗争」「紛争」と煽りに煽りまくりやがってくださいました。とくにウェブメディアをみている相対的に若い層にとって堀江さんの影響力と浸透力は甚大なものがありまして、そういう人からみれば僕は悪者になるわけです。当然ですけど。で、まとめサイトや何とかニュースでは「経営をしたこともない舌先三寸、頭でっかちのハゲオヤジ」という役を割り当てられまして(ま、ジッサイに経営をしたこともない舌先三寸のハゲオヤジなんですけど。アタマもデカいし)、わりときっちり攻撃を受けました。


ま、世の中そういうものなんですけど、僕がこの手のまとめサイトというかニュースサイトについて哀しみを感じるのは、言葉尻をとらえるだけならまだしも、誰も書いてもしゃべってもいない嘘ばっかり書くんですね、これが。ま、世の中そういうもんなんですけどね。


で、その辺の背景込みでこの日の鼎談となったわけですが、初めに堀江さんが佐山さんの大学院の講義でゲストスピーカーとしてお話をして、その後僕の仕事場に場所を移して、食べながら飲みながらの(僕は飲めないけど)雑談をするということになりました。途中からテレビカメラも入れての鼎談になり、ずいぶん長く話をしました。


堀江さんとお目にかかるのは十数年ぶり。そもそも堀江さんと僕とは接点もなく、やっていることや考えていることがまるで違うので「バトル」になりようがないわけで。堀江さんとじっくり対話するのはこれが初めてでしたが、すぐにわかったのは、氏が究極の合理主義者であるということ。佐山さんも堀江さんも考えの基準が明確でやたらに頭の回転が速いので、意見が合うにしても合わないにしても、異様にスムースな鼎談になりました。


NewsPicksはまともなメディアです(オリジナル記事については、月額1500円を取ろうというところにもメディアとしての姿勢が表れている)。御用とお急ぎでない方は1/11からの掲載記事をご覧いただければ幸いに存じます。


紙の雑誌では、昨年からやっている書評の連載2本(『エコノミスト』と『ダイヤモンド』)に加えて、『週刊新潮』でも新書の書評を1年間(月1回)やることになりました。読書が趣味の僕にとって、書評は公私混同のイイ仕事。こちらもひとつご贔屓にお願いいたします。