鷺リゾ(=鷺沼リゾート=自宅)を拠点とした連休、今年もよどみなくダラダラしまくりやがりました。

そのうちの一日、家人が全員出払うというナイス過ぎる日がございまして、これ幸いと「全力で脱力」のプログラムを組み、鷺リゾから一歩も外に出ない究極の休憩生活をすることにしました。

プログラム1:喫煙
まずは起き抜けに庭に出て一服。この時期の鷺リゾはリゾート地ならではの爽やかな気候。庭の木の新緑をぼんやりと眺めつつマルボロライトを吸う。



プログラム2:喫茶

で、お楽しみのコーヒータイム。前日に銀座に出たので、鳥羽コーヒーで購入した逸品を淹れて、これまたクローバーで買っておいたロールケーキ(本当はレアチーズケーキにしたかったのだが売り切れてた)とともに賞味いたしました。


これがそれ。


鳥羽コーヒーは日本最高のコーヒーブティックなのではなかろうか。銘柄はなんと「ニューラテンクオーターチューン」。ネーミングにそそられて迷わず今回はこれにしました。昭和の夜の空間、ニューラテンクオーターにちなんだものなのでしょうか。世代が違うので僕はもちろんリアルタイムではNLQを経験したことはございませんが、当時はこのテイストのコーヒーを出していたのかな・・・、などど思いを馳せつつ味を香りを楽しみました。

プログラム3:映画
鷺リゾの映画ライブラリー(=ツタヤ鷺沼店のこと)から取り出しましたる一本目は「総長賭博」。



この映画は脚本を書いた笠原和夫先生のご著書でも強調されていた東映任侠映画の金字塔。当時は三島由紀夫も「掛け値なしの名作」と絶賛していた作品であります。


不覚にもこれまで見たことはなかったのですが、さすが!とばかり唸らされるような大傑作。筋はいつもの話なのですが、笠原脚本の抉るようなつくり込みが半端じゃございません。「これでもかこれでもかの波状攻撃」の波状攻撃を堪能しました。


義理と人情の板ばさみ。突き放してみれば、ようするに登場人物が勝手に問題をどんどん大きくして、挙句の果てに壊滅に至るという話なのですが、考えてみると、これは人と人の世を駆動しているメカニズムのある部分を究極までデフォルメすると立ち現れる世界でありまして、人間社会の本質を衝いた芸術性の高い作品だと思わされました。


鶴田・若山のコンビ芸はもとより、初期の藤純子の天然の名演(=藤の美)もおまけについています。誰もが指摘することですが、最後の鶴田浩二のセリフ、脳天からつま先まで痺れにシビれました。ソニーブラビアの画面に向かって思わず拍手!


プログラム4:昼食
「総長賭博」の余韻に浸りつつ、スキなスパゲティーをスキなだけスキなようにつくって食べる。これぞ鷺リゾの食の醍醐味であります。大量のマッシュルームのスライスと塊から小さく切り落としたベーコンをオリーブオイルでソテー。そこに鷹の爪とガーリックみじん切りのオイル漬け(すなわち先日ここでご紹介した「ビバガーリック」)を多めに投入したソースを絡めて、220グラムの大盛りをつくり、一気に食べました。


食器を洗う手間を減らすために、フライパンから直接食べるのが鷺リゾスタイル。



プログラム5:映画

二本目はソフィア・コッポラ監督の名作「Somewhere」。



これがそれ。


この映画、僕は毎年連休中に観ることを個人的行事としておりまして、今年が3年目。内省的映画であります。毎年これを観て、自分の越し方行く先をちょいと考えてみるということをしております。人間は愚行をするものですが、それでもなんとか世の中と心の中と折り合いをつけて生きていくわけでありまして、これを観ると毎回「ま、俺ももう少しやってみるか……」という気持ちになります。


プログラム6:歌唱

ギターを弾きつつ歌を唄う。一人の休日に欠かせない休息メニューです。Stevie Wonderの"You and I"、終盤のキーがガンガン上がるところ、歌い上げるとたまらなく気持ちイイ(=周囲の人は大迷惑)名曲でありまして、この日はこれを愉しみました。とにかくキーが高い。フルヴォイスだと原曲キーから1音落とせば何とかなるのですが、さすがに鷺リゾ(=自宅)でそれをやると近所迷惑なので、3音半落として静か目に歌いました。いやー、歌ってホントにイイものですね。


で、この後も夜ご飯に麻婆豆腐を食べたり、もう一本映画(「ブロークン・シティ」。これはまあまあだった)を観たり、コーヒーとドーナッツを飲んだり食べたりしているうちに、エアウィーヴの上に身を横たえ、メディカル枕の上にハゲアタマを乗せて、理想の一日も幕を閉じるのでありました。