JJといえばジェリー・ジェモット、WWといえばウィリー・ウィークス、DDDといえばドナルド・ダック・ダン、そして極めつけのJJといえばジェイムズ・ジェマーソン。なぜかみなイニシャルでゾロ目なのですが、こうしたベーシストは名前を聞いただけでベースの達人!という感じがします(ちなみにKKといえばケン・クスノキ)

で、GGといえばもちろんジョルジェット・ジウジャーロ(Giorgetto Giugiaro)。こちらはベーシストでなく工業デザイナーでいらっしゃいますが、このイカしたゾロ目イニシャルの名前を聞いただけでホントにカッコいいデザインを次から次に繰り出しそう。

この方がその方。


で、ジッサイにジウジャーロ先生は素晴らしい作品を次から次に繰り出していらっしゃいまして、主戦場のクルマ部門では、昭和でいちばん、いやこれまでの日本車史上でいちばんカッコイイクルマ、いすゞ117クーペ
何と言っても最高傑作。初期型フィアット・パンダが成功傑作という人もいますが、僕としては断然117であります。

これがそれ。

このバックラインがたまらなく素敵!

もう何十年も前に他界しておりますが、僕の祖父の楠木直道はミッド昭和時代のいすゞ自動車の経営者でありまして、エンジニア出身でありながらわりとデザイン・コンシャス、ベレット1600GTから117クーペのころの欧風昭和ドリームのいすゞデザインをよどみなく追求するという粋な人物でした。当時の日本にあって、デザインをジウジャーロに発注、しかもほとんどそのままのカタチで市場化。いすゞはイイ仕事した!ま、そうしたカッコよすぎる名車の数々がいすゞの乗用車事業にトドメをさす伏線になったわけですが、イイじゃないの幸せならば。

僕が子供のころ、もちろんわが家のクルマはいすゞ。ベレット→117クーペ(もちろん白。次いで銀色。2台乗り継いだ)→ピアッツァと遍歴。

で、どうしても往時の117に乗りたかった僕は、確か大学院生のころだったと思うのですが、ボロボロの白い117の中古車を15万円ぐらいでスカッと購入、大喜びで乗ってました。エアコンなし、三角窓装備。当然ですけど。最高速度時速100キロ。当たり前ですけど。それ以上出すと、ボディが分解しそうになります。コワイ!

金欠で整備不良だったことが理由なのですが、ある日走っていたら突然コントロールを失い、慌てて停車し「何が起きたのか?」と確認してみましたら、何と左前輪がとれていました。びっくりしたなあ、もう。それでも修理しましたが、命が惜しいのでやがて廃車の憂き目に。

で、話を現在に戻しますと、前々から気になっていたのがGGデザインのコンテッサ。赤坂は岡村製作所のデスクチェアであります。とある機会に岡村製作所の方々とお目にかかりまして、お話を伺っていると、これがまた粋な会社でありまして、昭和でもっともイカした大人の社交場、赤坂は「ニューラテン・クオーター」(ホテルニュージャパンとともに他界)の支配人の方は元岡村製作所の社員だったそうで、このエピソードを聞いて、「昭和日本」「ジョルジェット・ジウジャーロ」「ニューラテン・クオーター」という3つのキーワードがアタマの中をぐるぐるとまわり、何のためらいもなく自分の仕事場にコンテッサを導入することを決定いたしました。

で、本日無事に納品されましたことをここにご報告いたします。

これがそれ。色はもちろん白。



一気にGGマナーになった仕事場。


今の職場に移ってから、これまでは支給品のアーロンチェアを14年間使っておりました。コンテッサは細部にわたって仕様をカスタマイズできるのですが、座面も背中もメッシュのモデルにしました。この点ではアーロンチェアと同じですが、アーロンと比べるとコンテッサはよりスカッとした軽いすわり心地。しかもさすがの日本製、メカニカルな調整がスムーズ。原稿を書くのが楽になりました。アーロンチェアはお客様が来たときのミーティング・テーブルの方に移動して使い続けます。


僕の
仕事生活も22年目、職業人生の第4コーナーに入りつつあります。これから引退までこのコンテッサを使い続けることでありましょう。


GGのコンテッサ、最高です。諸君もいかがかな?