アダム・グラント『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』が出版されました。

 

これがそれ。僕が監訳と解説をいたしました。

グラントさんは心理学というか行動科学を専門とする研究者でありまして、僕は普段はこの方面の本を読まないのですが、これはヒジョーに面白かった。一言でいえば、「情けは人のためならず」というごくごく当たり前のことを言っています。人の世の中のことであれば、重要なことほど「言ってみれば当たり前」。本書もその線。

面白いのは、このどうしようもなく当たり前の真実の前と後ろにある論理展開。わりとストイックな論理展開から、アカデミックな研究の蓄積に立脚して、普通に仕事をし生活している人々(つまり僕のような人)にとって示唆に富む洞察が次々と出て参ります。使われている事例も面白く、理解を助けます。読者一人一人が、「そーそーそー、ようするにそういうことなんだよね…」と深くうなずけ、同意するだけでなく日々の行動へと背中を押される骨太の主張であります。

本書の最大の美点は、主張が明るいこと。古今東西、人の世には美醜両面がついて回るわけですが、本書は人間社会のもっとも明るい側面に光を当てまくりやがっています。爽快な読後感。ぜひお読みくださいませ。