新作『経営センスの論理』(新潮新書)がリリースされて1週間。「この辺で書店でどうなってるか、見てみませんか」という新潮社の方のお誘いで、東京都心部の書店売場めぐりをしました。

こういうことをするのは僕にとって初体験だったのですが、ヒジョーに勉強になりました。書籍に限らず、「商売は売り場が命。すべては売り場で完結する」との柳井さんの至言を再確認した次第です。

まずは紀伊國屋書店大手町ビル店。ここでは店長にご挨拶したほか、ちょっとした「著者トークの店内放送」もしたのですが、立地が三井物産本社の前。昼休み時間だったので、旧知の三井物産の方々が何人かいらして、「ま、行きがかり上買ってやるか…」という感じでご親切にも『経営センスの論理』をお買い求めいただきました。ありあたんした。

 
新潮社および紀伊國屋の方々と。左から、新潮社営業部の川久保さん(元は東映にいらしたそうで、合間に聞いた岡田時代のあの東映の話が面白かった)、紀伊國屋書店大手町ビル店の今泉店長、僕(中央のハゲ)、その右側が編集をしていただいた新潮社の横手さん、右に紀伊國屋東京地区統括の湯本さん。

で、上記業界諸氏のお話を伺ってわかったのですが、今度の僕の本のような「新書」は、販売がヒジョーに都市部に偏っているとのこと。新書は地方ではそもそも書店に「新書の棚」というのが不在だそうです。

しかも、僕の本だと読者は圧倒的にビジネスの人ということで、都市部でもど真ん中のビジネス街のでの販売にヒジョーに偏るわけです。つーことは、今回見学した大手町、丸の内、日本橋、八重洲、銀座、有楽町、この辺での局地戦勝負ということ。ここでダメならもうダメよ!、という話。

僕は新書はわりと地域を限定せずまんべんなく売れるものだと思い込んでいたのですが、世の中そうそう甘くはございません。むしろ『ストーリーとしての…』のような単行本のほうが、書店流通はカバーが広くなるそうです。

アマゾンでのランキングをみると、『経営センスの論理』は初速があまりぱっとしないようにみえたので、「ま、こんなもんかな…」とリラックスモードに入っていたのですが、すぐに重版がかかり、「なぬ?!」とびっくりしたわけです。

で、今回、ビジネス街ど真ん中販売局地戦の最前線を歩いてみると、新潮社および書店のご協力を賜りまして、わりととんでもないことになっていました。

紀伊國屋大手町ビル店の様子はというと……。
 
 
 

 
このように、POPや前作、近作を絡めての多面展開をしていただいておりました。

で、感涙にむせびつつ、丸善丸の内本店へ。ここは『ストーリーとしての競争戦略』を日本でいちばん売っていただいたありがたーいお店であります。

 
 今回もばっちり積んでいただいております。

 
新書では5位に入っていました。

で、次は三省堂書店東京駅一番街店。

 
典型的な駅中立地の書店です。

 
『ストーリー…』もまだ多少は動いているとのこと。

 
 こちらでは新書ジャンルで1位になっていましたよ。

 
 店長の後藤さん。話が面白い。ご自身にも1冊買っていただきました。ありあたんした。

で、次は丸善日本橋店。

 
クラシカルな大型店舗。

 
メインエントランスを入りますと…。

 
ジャーン。テンション高村!思いっきり正面に大量に積んでいただいております。

感涙にむせびながら店長の篠田さんにお話を伺ってみると、重大な事実が判明。篠田さんは以前は丸善丸の内本店の店長で、この方が丸の内店長のときに『ストーリー…』を読んで、破格の大量在庫と超強力展開の意思決定をしてくださったその人だったそうです。感謝!

で、今回も「ガンガン行きますよ!」との力強いお言葉。

 
篠田店長(右)。まだ30代。丸善のエースと見た。独立自尊の商売人の趣あり。

で、次は八重洲ブックセンター本店

 

対応していただいた内田さんは映画がおスキなそうで、映画の話をしつつ、併設の喫茶店でクリームソーダのおやつをいただきました。

リフレッシュして、ブックファースト銀座コア店。

 
やってるやってる。

 
ありがたいことに、こちらではオールジャンルで4位に入っていました。2位は本屋大賞を取った百田尚樹『海賊と呼ばれた男』(これ、ジッサイにバラシース。S16も絶賛!)、3位は東野圭吾『夢幻花』。で、1位は当然、多崎さん。

 
藤田さんの本の下にもひそやかに陳列。

で、締めはビジネス書店界の一方の雄、三省堂書店有楽町店

 
この凹み具合がイイ感じ。



 
新書ジャンルではここも1位。まいど!

ほとんど小学生の社会科レベルの感想なのですが、手前勝手につらつらとレコーディングした本が読者に届けれらるまでに、多くの方々の手と汗を経ているということを実感した次第です。それぞれが商売でやっていることだから…といえばそれまでですが、「商売の底の浅さの奥深さ」を改めてよどみなく感じまくりやがらせていただいた午後のひととき、謙虚な気持ちが盛り上がってきました。

商売局地戦最前線訪問初体験報告終了。御清読感謝。