ひょんなこと(鎌田さんのFB経由)で『アラサーちゃん』というマンガの存在を知り、デジタルな見本を読んでみました。

で、僕と同世代の『アラフィフ氏』というマンガがあったらどのようになるかと想像してみた。ところが、アラフィフ氏は、「朝起きてメイルチェックして仕事場に行って仕事して終わるとジムによって帰宅して食事してお風呂に入って寝る」を一年中延々とループしていくだけなので、面白くないことこの上なし。Pファンクのような生活。コードチェンジなしのEの一発モノのリフを来る日も来る日も繰り返す日常。

アラサーだと、まだまださまざま欲望やその裏返しとしての不安が脳内を渦巻いているので、突っ込みどころ満載。だからこそ『アラサーちゃん』のような自己揶揄(?)をベースにした笑い話になるわけです。これがアラフィフになると自分の矩(のり)というか、強みと(もう絶対克服できない盤石の)弱み、好き嫌い、自分の土俵の外と内、このあたりがイヤというほどわかりまくりやがってしまいまくりやがっているわけで、さまざまな欲望と不安が手に手を携えてイイ感じで減退していくものであります。残るのは「ま、いいか」「それがどうした」「でもやるんだよ」の基本三精神のみ。この精神で馬齢を重ねていくアラフィフ、それが俺。今日も元気に過ごしております。

で、アラフィフとなると物欲も徹底的に減退し、もう特段欲しいものもない。で、消費は基本的に「日常実用品の補充」となります。最近買った有形物を振り返ってみても、食品と本とCDを別にすれば、単5の電池(プレゼンテーションのクリッカー用)と9Vの電池(エフェクター用)、パーカー5th(これイイね!)の替え芯、靴下、パンツ(ズボンに非ず)、ハンドクリーム、イヤホン、ライターのガス…と補充品ばかり。品物を選ぶこともなく、前と同じものをスカッとネットで発注するだけ(そういえば、このうちイヤホンだけは7年ほど使ったシュアーのがぜんぜんシュアーでなくなってきたので、ソニーのわりとイイやつをアマゾンで購入)。買い物に出ることがない。

で、わりとサイクルが長くはなりますが、補充が欠かせないのがシャツ。スーツのときに着るちゃんとしたシャツは、スーツを買うのと同じ店でまとめてつくってもらうのですが(この辺がわりとアラフィフ)、ネクタイをしないとき用のボタンダウンシャツの補充が必要な時期になってまいりました。

で、この手の実用衣料品といえばなんといってもユニクロ。特段のこだわりがなければユニクロ製品は絶対のコストパフォーマンスなので、靴下、パンツ(ズボンでないほう)、冬の長袖下着(ヒートテック)、タートルネックのニット、以上4品目は常時迷わずユニクロで補充をするようになって久しいわけですが、ボタンダウンシャツはダメなんですね、これが。

いえ、もちろん素材と製造品質はバッチリでして、これが2000円台で買えるというのは絶対のお値打ちだということはよーく分かっています。ただ、襟の高さがどうも足りない。アラフィフにとって、ボタンダウンはいつまでたってもブルックスブラザースのそれなわけで、僕もブルックス製をずっと補充して参りました。ところがこっちは1万円以上。ここはぜひユニクロにしたいと思うのですが、ユニクロのは襟が妙に低いんですよ、これが。

ユニクロに限らず、最近市販されているボタンダウンシャツはどれも襟が低うございますね、ええ。低いほうがカジュアルな感じがするということなのかな?いずれにせよ、イイ感じの高さのある襟のボタンダウンを量販店で見つけるのが困難になってきています(ギャップはさらに低かった)。仕方なしにまたしてもブルックスのオンラインショップで補充発注した次第です。

ことほど左様に、世の中のフツーと自分にとってのフツーの間にズレを感じだすのがアラフィフ世代。

最近、10歳ほど年が離れた友人から指摘されたことですが、アラサーの人々は(アラフォーもそうらしいが)、Vネックのセーターをシャツなしに直で(もしくはネックが露出しないアンダーシャツの上に)来ている人が多い。こういう着方はアラフィフはまず絶対にしない(よね?)わけで、下に襟付きのシャツを着るかフツーのクルーネックのTシャツを着る。

そういえば、これからの季節、Tシャツも若者はVネックのを(下着としてではなく)着るわけですが、これはアラフィフには決してないこと(だよね?)でありまして、Tシャツはあくまでも丸首。

アラフィフにしてみれば、こうした自他のフツーの乖離に直面したバヤイ、自を他に合わせるということは絶対にしない(よね?)わけで、こうして徐々におっさんくさくなっていくという成り行きが成立するのでありました。