Theory (洋服の)のグローバルCEOのAndrew Rosenさん。この数年、ファーストリテイリングのお手伝いをしている関係で(TheoryはFRグループのブランド)、わりとよくご一緒するのですが、追求するものがとにかく明快にして明瞭、しかもイイ味を常に漂わせているborn to beファッション・ガイで、ヒジョーにリスペクトしているわけです。


Theoryの商品は当然のことながら僕もスキでありまして、とくにスキなのがズボン。というかパンツ。トラウザーズでもデニム(このところはAGとのダブルネーム)でも、あのストレッチ感がたまりません。シェイプがシャープなのに快適。


で、とある仕事で、AndrewとOlivier Theyskens さんと3人で、ヒジョーにこってりたっぷりとした対談をする機会がありました。OlivierはTheoryのアーティスティックディレクターを務めているデザイナーで、Theyskens' Theoryのブランドでこのところ絶好調であります。


彼と話をするのははじめてだったのですが、コレクションを見る限りではヒジョーに繊細で複雑な印象を与える、文字通りアーティスティックな人なので、うまいこと話が進むかな、とわりと身構えていたのですが、対談前に雑談をしてすぐにわかったのが、ヒジョーに普通の、ただしきわめて聡明な人だということ。優秀なアーティストの例にもれず、言語的な説明能力がグンバツでして、彼のデザインに対する哲学、原理原則、姿勢がよーく分かりました。才能とはこういうことか!


Andrewの経営者としての強烈な芸風とOlivierの自然な才能ががっちりかみ合っていて、商売の成功としてもひとつの理想的なモデルであります。



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OlivierとハゲとAndrew


Theyskens氏は「ユニクロもイイね!カシミア最高。パンツや靴下もしょっちゅう買って着ているよ」とのこと。ことほどさようにわりとフツー。


で、「今のところは女性モノだけだけど、男モノはやらないの?」と尋ねたところ、「興味はあるけど、ま、ないな…」とのことで残念。


司会進行はカミュさんでした。名前がカミュなのに、不条理なところまったくなし(当然ですけど)のナイスガイ。ジッサイ、カミュさんは大叔父さまがAlbert Camusその人なのですね。



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