ジェリー・バーンズというベーシストを知っている人は、ま、少ないと思うのですが、80年代から90年代にかけて、ロバータ・フラックやチャカ・カーンのセッションで活躍したお方であります。



Jerry Barnes


もちろんジッサイに師事したわけではないのですが、僕はバーンズ師を勝手にベースの先生と位置づけておりまして、この人の教則ビデオがあるのですが、それを繰り返し繰り返しover and over学習してきたわけです。


ジャコほど天才ではなく、マーカスほど色が強いわけでなく、DDD(ダック・ダン)ほど強くなく、ロッコ(プレスティア)ほどオリジナルでなく、アンソニー(ジャクソン)ほど練り上げられているわけではなく、フリーほどエモーショナルでなく、ブーツィーほどアクが強くなく、チャック(レイニー)ほど味があるわけではなく、ブラジョンほどリズムでなく、グラハムほど親指トムではなく、エイブ(ラハム・ラボリエル)ほどフラメンコでなく、高水(健司)ほど腰が据わっているわけではなく、ウィリー(ウィークス)ほどスゴい(しかしこの人はすごいよね!)わけではないのですが、バーンズ師は実にナチュラルでありまして、すべてがイイ按配、イイ匙加減なのですね、これが。


ストレートにファンキー、フレージングはシンプル、しかしイイ感じでフックが効いていて、何よりも音そのものとアーティキュレーションが最高!いかにもロバータ・フラックが登用しそうな、大人のプレイヤーなのですね、ええ。


ところで、最近のベース専門誌でも取り上げられてましたが、タル・ウィルケンフェルド、このガキはひさびさに現れた超絶テクニシャンですね。ベースを始めたまだ数年だそうで、そのプレイを聴く限りではありがちなベースオタクだと思うのですが、テクニックに関してはゴイス!



Tal Wilkenfeld