これまでに存在した曲の中で、いちばんキャッチーな曲は何か?この問いに対して、僕は迷わず"I Can't Help Myself (Sugar Pie, Honey Bunch)"と答えます。


モータウン時代のフォートップスの大ヒット曲です。先だってもここでぐだらぐだらと賞賛したテンプスやスプリームスやスモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズにくらべて、僕はフォートップスというグループにはそれほど思いいれはないのですが、曲でいえば、Sugar Pie, Honey Bunchがなんといってもいちばんモータウン。美メロか?と言われるとそうでもないのですが、総合力でいって、これほど素晴らしいポピュラー・ミュージックはちょっと他にないと思います。


イントロから煽りに煽るジェマーソンのベースライン、それに続くタンバリン、そしてなんといってもHDHのメロとAメロ・オンリーの曲構成!


とにかくAメロのみ!であります。Bメロどころかサビもなし。20秒程度の極上のテーマの繰り返しで、これほど楽しい曲ができてしまう奇跡。いやー、音楽って本当にバラシース、マジで、ジッサイのところ!

The Four Tops
Anthology

フォートップスはもともとモータウンとしては大人向けのジャズコ(ジャス・コーラス)グループとしてキャリアをスタートさせたそうで、お蔵入りになっていたジャズのアルバムも今ではリリースされているようですね、聞いてないけど。


"I Can't Help Myself (Sugar Pie, Honey Bunch)"がヒットした頃、メンバーは「それにしてもさ、"Sugar Pie, Honey Bunch"っていったい何よ?!」とかなり自己懐疑的だったそうですが、ステージングをみると曲に負けず劣らず実に楽しそうで、コーラスの3人が"I Can't Help Myself "というところでくるっと回って手をたたき、例の肩を左右に上下させるステップに入るところ、これはもう最高にタノカッコイイ(楽しくもカッコいい)ものですね、ええ、これが、いや、マジで!


こういう曲が存在することに深く感謝するしだいです。