土曜日ではありますが、The Mitsubishi Bank Foundation Conferenceという国際会議(いろいろな国から研究者があつまってお互いの研究を発表して議論する集まり)が湘南国際村でありまして、それに出席してきました。
僕はCoffさんという人の、「リアル・オプション設定のもとでの意思決定において、社会資本が関与のエスカレーションを招くことによる負の効果」という研究について討議者として話をするという役割でありまして、まずまず勉強になりました。
こういうコンファレンスに出場すると、いつも思うのが、経営学のような社会科学(?)分野で「価値のある研究」をしようとしたときにどうしてもでてくるトレードオフの問題であります。つまり、主張やそれを支える論理がユニークで「面白い」研究をしようとすると、厳密なデータや方法で「きっちりとした」研究にはしにくくなり、逆もまた同じ、という問題です。
で、どちらを取るかというと、若手から中年の研究者は、そのアカデミックな魂の叫びというか習性で、圧倒的に前者を犠牲にして、後者を突き進む人が多いわけです。その結果、実に緻密でしっかりとしているけれども、それほど大騒ぎして実証するほどの面白い話ではないんじゃないの?と言いたくなるような、いまひとつイイね!感に欠ける研究が大勢を占めることになります。こういう傾向がどうしても出てくるのはそれなりの理由があるのですが、それにしてもちょっと行き過ぎではないか、という感想をもちました。