論文を書いていて調子に乗ってくると、もう他のことは何もやりたくない!という感じで仕事に没入できるのが僕のプレシャス・モーメント。


今週はかなりイイ感じで書いておりまして、先日は仕事場に通勤する時間も惜しくなり、朝7時からいきなり自宅で書き始め、気がつくともう17時。イヤなときはイヤなのですが、論文書きはマニアックな仕事だけに、のってくると10時間程度は一瞬でトリップ!もう、たまりません。


それでもなんで17時でやめたかというと、この日の夜はアニメーション作家の新海誠 氏の家に話を聞きに行くという別の仕事があったからなのでした。ご存知の方も多いと思いますが、新海氏は突然出てきたジャパニメーション界の天才。アニメはまったく関心がない(この41年間でみたことがあるのはディズニーの数本と、宮崎監督のネコパンチ、じゃなかったネコバスが出てくるやつ、これなんていう映画でしたっけ?とラムジーラムジーかわいこちゃん♪とかいう主題歌のやつとガキのころパリでみていたチキチキマシンだけ)この僕でも、氏の「ほしのこえ」はかなりぐっと来ました。非常に小説というか散文詩的な作品なのです。

「ほしのこえ」The voices of a distant star

書くときりがないのではしょりますが、僕が研究で考えていることとの関連で、新海氏の仕事の仕方(これまでのアニメ製作と分業の方法が異なる、っていうか分業をそもそもしない)とその結果もたらされた創造というかイノベーションの内容の関係がきわめて興味深いものがありまして、で、この夜の面談となったわけです。


新海氏は新しい作品の製作の真っ最中で引きこもり状態であったため、お邪魔を承知で都内某所の氏のご自宅兼仕事場のマンションへ伺いました。いやー、イイ話だった!僕の理論の妥当性を改めて確認できたということもあったのですが、感心したのは新海氏の仕事のスタイル。とにかく創造にすべてを捧げる生活。家を出るのはジョギングをするときぐらいで、あとはひたすら作品を創っているとのこと。きわめてストイックな生活スタイルが感じられる空間でした。


新海さん

新海誠さん


この種の創造者に共通のいつものパターンなのですが、新海氏も言語的な説明能力が抜群でして、非常にスムーズな議論でした。氏の名言:

「すくなくとも今の作品が完成するまで、不慮の事故で死にたくない」

イイね!イイね!ステキだね!!


えーとですね、ところで僕がいま書いている論文のひとつはですね、「一橋ビジネスレビュー 」(東洋経済新報社)という雑誌の年明けにでる「脱コモディティー化の戦略」特集号でリリースする一本、「次元の見えない差別化:脱コモディティー化の戦略を考える」であります。この特集号はイノベーション研究のハンサムガイ、Jeff Funk氏と僕とで共同責任編集をしております。イイ感じの作品が集まっておりますので、気が向いたら買って読んでチョーダイ!


えー、あとですね、この論文のもうちょっとややこしい議論をしたバージョンは、Management of Technology and Innovation in Japanというハードカバーの研究書(いろいろな論文のコンピレーション)で近々にSpringer社からワールドワイドにリリースされます。Release me, let me go~♪


これはいよいよマニアックな本ですが、万が一ご関心があればアマゾンでチェックしてね(発売前にアップされてると思うんだけど)!ま、万が一にも買うなんてことはないと思うんだけどさ・・・。ネコパンチ!チャオ!