アフリカ時代の遠い記憶をたどっていて思い出したのですが、エルヴィスの次によく聞いていたのがディーン・マーティン。

DM

Dean Martin (1917-1995) 本名はディノ・ポール・クロセッティ。高校時代から働き者で靴磨き、店員、製鋼所の工員、さらにはアマチュアのウェルター級ボクサーまでも経験。ちなみにリングネームは"Kid Crochet"。


この人はイタリア系アメリカ人でありまして、いかにもというだらしないデロデロした歌い方がかっこよくて、いつどんなときでも力が抜けていて、冗談ばかりいっていて、最高にしゃれています。とくに、大ヒットしたEverybody Loves Somebody Sometimeや、In the Chapel in the Moonlight、I Willといった往年の名唱を聴くと、昔を思い出してグッとくるのです。


ディーン・マーティンといえば、ジェリー・ルイスとの「底抜けコンビ」のコメディアンとして最も有名です。

D&J

底抜けコンビ


ジェリー・ルイスはある意味天才なので、このコンビではディーン・マーティンはどっちかというと影が薄いのですが、この人が本領を発揮したのは歌ありしゃべりありの総合エンターテイナーとして開花した60年代。サミー・デイヴィスJr.とフランク・シナトラと3人のユニットでの芸は、エンターテイメントの極致ですぞ!あまりの洒脱、洗練、躍動感、まさにThat's Entertainment!

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ディーン・マーティンはイタリア系のかっこよさの典型的なパターン。へらへらしていて、冗談ばっかり。何も考えずに、口ばっかり。その場の調子はいいのに、根性なし。と、そうみせておいて実はふとした瞬間に人間的な深みや哀愁を垣間みせるという、あのパターンです。

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これ!カックイー!!