午後歯医者に行って、その日は夜の仕事もあったのでどうやってぽっかり明いた夕方の時間を過ごそうかと思案した僕は、歯医者から程近い日本橋高島屋にクルマを向けたのでした。


超久しぶりに日本橋高島屋に来たのですが、中に入ってみると、まさに時間の止まった昭和な空間。近所の日本橋三越が伝統の中にも平成日本のテイストをちりばめているのに対して、高島屋の方はまるでレイドバックしております。見かけるのはじいさんとばあさんばっかり。時間の流れがゆったり。商品構成も60歳代以上の方々にしっかりターゲットしておりまして、40小僧の僕の出る幕はありません。


小腹がすいたので、仕事前に少し食事でも・・・と思い、駐車場に戻る途中で通りかかった新館(といってもぜんぜん新しくない)4階の特別食堂をのぞきました。これはずいぶん贅沢な食堂でして、うなぎの「野田岩」と帝国ホテルの洋食と、もうひとつ何とかという日本料理屋のメニューから自由に選べるようになっております。その横のゾーンにはおすしの「すきやばし次郎」の店もありました。


席について、奮発して野田岩うなぎどんぶり「中入れ」(ご飯の中にもうなぎが入っているという重層構造)をオーダー!あらためて周りを見回してみると:

-インテリア&空間デザインが最高に昭和!僕の経験では、今東京で味わえる最強の昭和スペースなのではないでしょうか。まさにタイムマシン感覚。その辺に丹波哲郎&田宮二郎のコンビが座って無言でタバコをふかしているという錯覚が・・・・。

-最高の接客サービス。長い時間をかけて磨き上げられたのでしょうな。とにかく細やかなサービスでした。感服!

-食事をしているお客さんの平均年齢は推定68歳。60代後半の僕の母に言わせると、往時は日本橋三越よりも高島屋の方がヒップな店だったらしいのですが、そのころから来ている人が多いのでしょうか。

-お客さんの多くは老夫婦。で、

-無言で淡々と食事をしている。何十年も一緒にいて、もう何もしゃべることがない。で、

-時間に余裕がある人々なので、ごくごくゆっくりと食事をする。しかし、

実によく食べる。最近のお年よりは健啖家ですね。

-年季の入った常連が多いようで、給仕さんたちと会話をしているお客さん多し。

-チェック時にキャッシャーの横にある赤十字募金ボックスを見たら、さりげなく万札がいっぱいつっこんでありました。特別食堂のジイさんたちは景気がイイね。


日本橋高島屋特別食堂恐るべし!昭和にワープしたいときに最高のスポットです。