40歳ともなると人生後半戦。さすがにこの年になると初体験という種目もめっきりと少なくなってきました。そんな僕にとって久々の初体験がやってまいりました。美容室、美容院、ビューティーサロン、髪結処、ヘアスタジオ、っていうんですか、とにかくそういうところに生まれて初めて行ったのです。


僕は坊主頭なので、床屋に行ったのも記憶の遥か彼方。普段は五月の薫風を全身に感じながら庭先で松下電工のバリカンを中年の技巧で操ることわずか3分でスカッとマルガリータ


そもそもこの5年は威風堂々としたハゲ頭(別名:進化した人間。僕はハゲを、頭髪の後退、退化ではなく、男としての進化だと無理やり肯定的に受け止めております。育毛だ養毛だとジタバタするのはよくないね!坊主頭にしてしまえば、失うものなし、怖いものなし。それに、何か大失敗をやらかした時に「申し訳ございません・・・。反省のしるしに頭を丸めて参りました!」という僕が大好きなギャグも使うことができます)なので、髪を切ろうにも切る髪がございませぬ。


そんな僕がなぜ美容室に行ったかというと、ふとしたきっかけで美容師Mの知己を得たからなのであります。M氏に「このアタマでも(M氏が仕事をしている)お店に行ったら、何か手の施しようがあるの?」とたずねたところ、「とりあえず、髪を伸ばしてから来い」との温かいお言葉。しかし伸びないものは仕方がありませぬ。


しかし、スタイリストMによると、切る髪がなくても、「πウォーター」というプログラムというか技法(?)があって、これを受けることができるとのこと。πといっても3.1415926・・・、ヒトヨヒトヨニヒトミゴロ、フジサンロクオウムナク(あ、関係ないか)じゃありません。水よりも粒子の細かい、でもやっぱり水という、複雑で特殊な水を使って、頭をマッサージしつつ、毛穴を洗浄しつつ、頭髪を活性化しつつ、ようするに一言で言ってスカッとするやつなのです。


で、ついにM氏が勤務しているお店 に行って参りました。表参道のカッコイイ店であります。「何だよ、ハゲかよ・・・」と冷たい視線を浴びるかと思いきや、いかにも最近の若者らしい(具が少ない、あっさりとした)体型をした青年男子と美容師Mが受付デスクのところでニッコリと出迎えてくれました。で、洗髪の後、問題のπをやってもらったわけですが、これが気持ちイイのなんのって、マッサージとはまた違ったスカッとさわやかなリフレッシュメントです。ひととおりπ工程が終了したあとで、使った例の特殊水をビーカーで見てみると、透明だったのがなんと白く濁っております。これが毛穴の油分だとのこと。


店を出ると5月の薫風がハゲ頭に優しくそよいでくるわけですが、これがいつもと違う新感覚。アタマがなんだか新品になったようなさわやかな気分でした。いやー、スカッとした!Mチン、thank you!