内田裕也氏といえば、「シェキナベイベー!」という不朽の名フレーズで高名な「ロックンロール・バカ」。いつでもどこでもだれとでも、「ロックンロール!ヨロシク!」ですべて話が完結してしまうというオソロシイ人であります。
僕が大リスペクトのエルヴィスに突き動かされてロックンロールを始めたという裕也さん、その辺のヒストリーを聞き及んだ僕は青春時代に当然チェックしたわけですが、これがどうにも「わかりにくい良さ」なんですね・・・。フラワートラベリンバンドとかの伝説もありますし、「シェキナベイベー!」であることには間違いないのですが、例の裕也バージョンの「ジョニーBグッド」を聞いてみても、ん?これは、なんというか・・・という感じで、すぐにはイイとはいえないのにやや当惑した思い出があります。ま、それがイイのかもしれませんが。
内田裕也氏がはっきりと、掛け値なしに、抜群の才能を見せたのは、「シェキナベイベー!」よりもむしろあの独特の映画だと思います。映画も「シェキナベイベー!」の一貫だとは思うのですが、最高にオリジナルな傑作ぞろいであります。
才能は80年代に突如爆発したわけですが、特にイイのはなんといっても85年あたりの「コミック雑誌なんかいらない」。例によって脚本主演・内田裕也でありまして、その個性と才能が余すところなく発揮されている名作です。最近になってDVDで再発されたので、20年ぶりに再見したのですが、いやー、やっぱり映画っていいものですね!とうなってしまいました。
この顔!表情!僕は裕也さんのあのまなざしがたまらなく好きですね、ええ。ちなみに横は競演(!)の三浦和義氏です。奥様の良枝さんもものすごいキャラ立ちの人でした。この人も80年代の狂気のアイコンみたいな人でしたね。