だれでもがやるように、五線紙にメロディーを書いて、コードを付けたら、普通に下にコード構成音を書いてヴォイシングすればよいだけだと思います。(「何度下」というより、「コードの構成音を下に書く」だけの作業です。もし、おたまじゃくしのアタマどうしがぶつかったら、ハモりは、より下にスライドするだけの単純作業です。)
「三度」、「三度」と繰り返していますが、三度下が有効なのはメロディーが「み」か「そ」を中心に動いているときだけです。また、3度下にまた3度を付けられるのは、メロディーが「そ」を中心に動いているときだけです。「そ」のときなら、その3度下に、「み」があり、さらに3度下に「ど」があるので、みんなで歌うと「どみそ」の和音が成立し、「Cコード」が正しく響きます。
「ど」に対して三度下にハモリを付けると「ら」になりますが、その場所のコードがCだったら、構成音は「ドミソ」なので、「ら」は非和声音で、素人には歌えません。まして、そのさらに三度下にパートを付けると「ふぁ」なので、Cコードに対しては、忌み嫌われる「アヴォイドノート」になります。このようにハーモニーは、(「はもり」の語源は=「はーもにー」=「和音」)コード内音を基本に考えないと歌えません。また伴奏和音と衝突して聞くに耐えません。先の例で、伴奏和音がCコードなのに、声のパートが、「ど」と「ら」と「ふぁ」を歌うとそれは、すなわち「Fコード」ですから、「Cコード」と「Fコード」が同時に鳴るというとんでもないことになります。
伴奏和音がCコードのときにメロディーが「ど」なら、下ハモリは、「そ」と「み」をつけます。それ以外はあり得ません(上級者は別ですよ)。この場合、「ど」から下に、4度・さらに下に3度にハモるという結果になります。
このように、ハモリは、上にせよ、下にせよ「コード内音に対してはコード内音を割り振る」というのが基本中の基本です。
「3度」という言葉は一旦忘れて下さい。「何度?」というのは、和声学の勉強で、分析的に説明するのに使う言葉で、現場ではそれが「何度」かということは関係がありません。
下ハモリで、メロディーが「ど」のロングトーンであるとき、その場所のコードが、Cなら「み」と「そ」、Fコードのときは、「ら」と「ど」、Amコードのときなら、「み」と「ど」でハモるのが基本です。いずれもコードの構成音です。結果をしらべてそれが「何度であるか?」というのは知る必要もありません。伴奏なしでも、歌だけを3パートで歌ったときに、「コードが表現できている」ということが、ハモる意義であり、これが基本となります。でないと伴奏が付いたときに伴奏音と歌のパートが衝突しまくって、汚い響きになると想像できませんでしょうか?汚い響きを出したいためにハモりを付けているのではないということです。
メロディーがコード内音に来ているときに、ハモリも同時にそのコードの構成音を歌うので、「ハーモニー」が成立するのです。
簡単なことだと思います。
メロディーがコード内の音を歌っているのにハモリが、別のコード内の音を歌ったら、それは、「間違い」ですが、人間は、伴奏和音を聞きながら歌っているので、コード内音以外の音を歌うのはとても難しいのです。間違って歌う方が難しい。即興でハモる場合は、伴奏和音の中から適切な音を選んで歌います。初対面の曲でもハモれるのはそのためです。伴奏がないときや、伴奏者が間違ったコードを弾くと混乱してハモれません。