リペア修行32日目。

台風15号が猛威を振るい、千葉県南部は停電中です。

自分の自宅や職場も千葉県で、幸い停電はなかったのですが、友人、知人で影響を受けている人もいるようです。

早い復旧を願うばかりです。

 

さて、この日からフレンチホルンに突入しました!

扱ったのはヤマハのF管シングルタイプのホルンです。

 

 

最初に全体を分解するところからスタートしました。

抜き差し管、レバー、ロータリーをそれぞれ分解します。

ちなみに、ロータリーの外蓋が1つ外れなくなっていたり、外してみたら中蓋を無理矢理取ろうとしたらしく、傷があったりしました。苦笑

 

 

次に、トロンボーンの時と同様にベル部分の修正(凹み直し)作業を行いました。

今回もテーパーローラーを使って修正していきます。

 

ベルの凹み直しに必須のテーパーローラー

 

基本的にはトロンボーンと同じで、ベルがかなり柔らかいので注意が必要ですね。

あと、ホルンの場合はベルに限らず凹みの状態が酷い場合が多いのと、管が円錐形で尚且つ曲線になっている部分が多いので形状が複雑です。

 

今回もベルに折れのような変形箇所があります。それ以外にもかなり凹みがありました。

 

結構時間をかけて修正したのですが、大きな歪みなどは直ったものの、細かい凹みなどは直しきれませんでした。

直線よりも曲線が多いホルンは凹み直しも経験や熟練が必要ですね。
あと、芯金も。笑
 

ひとまず大きな変形や凹みは取れましたが、まだ時間かければ直せるところは多いですね。

 

そして次にロータリー調整を行いました。

こちらもトロンボーンですでにやっていますが、よりスムーズに動くようにオイルラッピングでの調整作業を丁寧に行いました。

ロータリーに工具を付けて何度も回すんですが、結構な疲労と肩の凝りが残りました。

それと、今回はやらなかったのですが、ロータリーのガタが発生したときのガタ取りの方法なども教わりました。

 

ロータリー調整の時に使うピンバイス

 

ロータリーの動きが良くなったら、組立作業を行います。

今回は紐式のロータリーなので、紐の付け方を細かく教わりました。

綺麗に紐を付けるためのポイントがいくつかあって、その辺を知らないとレバーとロータリーの連動が悪くなってしまうので、見よう見まねでやる方も多いのですが、きちんと取り付けした方がいいですね。

レバーの高さをそろえつつ、紐も綺麗に付けるというのが意外と難しいことが分かりました。

レバーやバネも状況によって調整を行います。

 

紐式の場合は、巻き方やバランスも大事。このあと微調整を行いました。

 

自分も一応独学でロータリーについては分解と組立はできるようになっていたんですが、改めて細かく知ることができたので良かったです。

独学でやったときは、中蓋をちゃんと閉められてなかったり、ネジ山を潰してしまったりと、きちんとできるまでに失敗もあったので、やっぱりリペアマンに任せるなり、きちんと教わるなりした方がいいかなと思います。

(もちろん、自分でやったときはジャンクの楽器を使ってやりましたが。)

 

金管楽器にとって、ロータリーやピストンは心臓部と言えますし、動きはもちろんのこと機密性ギャップなどの問題もあり、その扱いや調整次第で楽器としての機能性が大きく変わりますので、やはり慎重に扱うべきところだなと改めて感じました。