全摘か、部分切除か・・・

予定していた検査が終わり、左乳がんの手術方法を決める事になりました。その決断には、非常に悩みに悩みました・・・

 

始めは、検診を受けた乳腺外科でも「全摘」と言う言葉を聞いていたので、全摘かな・・・とは思っていました。そして、全摘するなら「乳房再建」と思っていました。

 

しかし大学病院の主治医より、再建した場合の合併症の可能性や、再建したら終わりではなく、今後もメンテナンスが必要と言う説明を聞きました。

 

再建方法として、「自家組織による再建」「人工物による再建」があり、「自家組織による再建」は、おなかや背中の組織をとり乳房に移植する。「人工物による再建」は、徐々に皮膚を伸ばして人工乳房を入れると言う事でした。

 

私がもう少し若かったら、「再建」と言う選択も視野に入れていたかもしれませんが、再建後のメンテナンスの必要性や、治療に更に時間を要する事、また過去に全く違う病気ですが手術をし、メンテナンスが非常に大変だった・・・そして、手術から10年以上経って、合併症に苦しんだ、と言う事があり「再建」は行わない事にしました。

「再建は時間がかかる。仕事にも影響する・・・」と言う思いも少なからずあったと思います。

 

       クローバー クローバー クローバー クローバー クローバー クローバー クローバー 

 

私のがんのサイズは、部分切除でも「ぎりぎりいけるか?」と言う大きさでもありました。ただ、がんだけでなく周囲の組織も取る為、形が不自然にはなると言う事でした。

 

ただ、全く胸がなくなるのと、不自然でも胸が残ると言うのは私の中で非常に大きかった・・・。全摘は、「何か自分が変わってしまうのでは?」「全摘した後の、メンタルは大丈夫か?」といろいろ考えましたショボーン

 

そこからは、病院からもらった冊子を読んだり、ネット情報を見たりして、「全摘」と「部分切除」のメリット、デメリットを整理していきました。

 

部分切除は、乳房喪失に伴うイメージの変化がない、術後の患側上肢の機能障害が少ないが、温存乳房から再び乳がんが出てくる可能性がある事と、温存乳房への放射線療法が必要になる。

➡放射線療法は、1回の照射時間は短いですが、週5日×5週間(線量によっても違いがあるそうですが)毎日通院が必要。照射した皮膚が赤くなるなどの皮膚炎が多くの場合見られるが、症状の程度は軽度で、治療が終われば軽快。疲れやだるさを感じる方もいるが、通常は特に問題なく日常生活を送る事が可能。

放射線療法を受けた場合は、照射を受けた皮膚が十分に伸びない事から、放射線療法後の再建手術は基本的に勧められない。

 

全摘は、同側乳房から乳がんが出てくる可能性はない、基本的には術後の放射線療法が不要であるが、リンパ節転移個数が多い場合は放射線療法は必要になる事がある。乳房喪失の精神的ダメージがある可能性や、術後患側上肢の機能障害がやや多い。

 

主治医に再発の可能性を確認した所、部分切除して放射線療法を受けた場合と、全摘術を受けた場合とでは、たいして差はないとの事でした。

 

知人等からよく言われたのが、「後悔しない選択を」と言う事。簡単なようでなかなか難しい・・・。今は大丈夫でも、何年後かに気持ちが変わる事もあるのではないかはてなマーク「後悔」ってなんだはてなマークと「全摘」「部分」「全摘」「部分」・・・とグルグル、グルグルと決断出来ずにいましたダウン

 

そこから決断に結びついたのは2つの出来事です。

 

一つは、妹から「家族としては確実な全摘をして欲しい。放射線ってきついんじゃないの?」と言われた事泣

「洗いやすくなるかもよ」と言われた時は、笑いましたが笑い泣き

 

もう一つは、カナダで乳がんになった、西加奈子さんの「くもをさがす」の一文を読んでです。

『乳房、卵巣、子宮、という、生物学的には女性の特徴である臓器を失ったとしても、それでも私は女性だ。それはどうしてか。私が、そう思うからだ。私が、私自身のことを女性だと、そう思うからだ。』

 

・・・「全摘」をしよう。「私は私だ。それは変わらない」。今後の事はわかりません。後悔しないかもわかりません。ただ、自身で全摘する事に対して納得しました。

 

どのような決断をするかは、がんの種類も程度も、また生活環境もひとそれぞれなので、違うと思います。

 

これを書いているのは、左胸がなくなって1ヵ月ですが、私自身は特に喪失感もなく、「たくましくなったな~」と思えています照れ