シネマ歌舞伎
『刺青奇偶』
午後2時 @ミッドランドスクエアシネマ
http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/irezumi/index.html
玉三郎の科白まわしがすきだ。
あのつっけんどんなのに、すがるような。
いじけてるのに、かわいくてほっとけないような。
お見通しと思いきや、全然分かってなくて。
あきらめてるのに、希望があって。
潔ぎがいいのに、妙にくよくよしてて。
男ってバカよねーといいながら、ちゃっかりしなだれて。
捨て鉢なようで、しっかり現実直視してて。
弱くて、たくましくて、恋に落ちちゃう。 ストンと。
そんな科白のひとつひとつが
本当に丁寧で無駄がなくて、
ひさびさに、
この人のこと好きかもっていう
あのはじまりの特別なキモチを思い出させた。
あとは勘三郎の涙。
人はあんな涙を流せるものなのかと思った。
悲しくて悲しくて、くやしくてくやしくて、
愛しくてそれは愛しくて、
己を悔やんで、責めたくて、
愛をひしひしと身体にすりこまれて
なのに、なのに俺は何をやってんだ!
というチキショウ!な涙。
岩の間から染み出す雪解け水のように
じわりじわりと絶え間なく頬をつたう
芸術な涙。
ワタシは賭け事はやらないけど
お地蔵様のお茶碗を拝借して
一世一代の大勝負の臨場感には
思わずゾクリとした。
