不正改造 | 物質の下僕

物質の下僕

語りえぬものには、沈黙しなければならない












let me have my enemies butchered

パロマ製ガス瞬間湯沸かし器の安全装置が不正改造されたことによる(すべてではないが)一酸化炭素中毒事故についての報道に触れて。
すぐに連想したのは数年前の筑波東海村での臨界事故の一件である。どちらも原理原則の理解を欠いたまま現場の判断で違法なことが行われている。責任を負うべき本社トップは現場の実情に無知で合理性のないマニュアルを作成したり、判断をくだしている。
想像の域をでないが、機器の老朽化でCoが発生しやすくなり安全装置の作動が多発した例もあったのだろうが、それ以上に安全装置そのものの誤作動による停止が多発した例が多かったのではないか。そこで安直な対症療法的に、不正改造が常套化し、本来のCo発生事例までもがみすごされて事故につながったのではないかと想像する。また、故障状況について正しい判断がなされず、ユーザーに対しても継続使用による危険性の説明がなされないまま、多額の費用をともなう買い替えが提示されたとすれば、ユーザーは自身の生命にかかわる重大な決定を情報が不足するままにくださざるをえない状況に追い込まれていたことになる。
今回のことにかぎらず、小生の体験上日本のメーカー全般に言えることだが、メンテナンス、サポート部門のレベルの低さ、倫理観の欠如は目に余る。素人相手をいいことに安易な買い替えを迫る態度、何かにつけユーザーの操作ミスに責任を転嫁しようとする態度、自らの擬術の低さと知識の欠除を棚に上げた横柄な態度とあげれば限りが無い。もちろんこうしたふとどきな輩は一部かもしれないが、どの組織にも一定数必ずいることも確かである。これらを駆逐できるのは各ユーザーが逐次クレームを表明して戦う姿勢の積み重ね以外にないのだが、残念ながら日本人全般の傾向としてこうした行動を厭うのであるから、改善は望むべくもない。日本が物作りに関して一流の精神を失って久しい。