ほんの数ヶ月前の全仏女子シングルス決勝 は、
2回のメジャータイトルを持つ30歳のマリー・ピエルスと、
ベルギーのジュスティーヌ・エナン=アルデンヌの対戦でした。
ピエルスはエナン=アルデンヌに圧倒され、
70分もかからずに試合は終わってしまいました。
ピエルスは全米オープンの決勝にも進出。
奇しくも、相手はエナンと同じベルギーのキム・クライステルス。
キム・クライステルス×マリー・ピエルス
6-3
6-1
試合結果も、第1セットの6-1と6-3の違いがあるとは言え、
大差でピエルスがまた負けてしまいました。
今年メジャーの決勝に2回出た女子選手は、
ピエルスと29歳のリンジー・ダヴェンポートだけ。
ダヴェンポートも、全豪とウィンブルドン決勝で負けています。
クライステルスは、夏の間のいいテニスを続け、
遂にメジャー初優勝を果たしました。
ヴィーナス、シャラポワを途中で倒しての優勝で自信を付け、
この後もメジャータイトルに絡む選手になってもらいたいですね。
全米オープンの優勝賞金は110万ドルなのですが、
実はクライステルスには220万ドルが贈られました。
理由は、「全米オープンシリーズ」の勝者だったから。
このシリーズは、夏の北米でのハードコートの大会で、
活躍に応じるポイント数を争うものでした。
女子で1位だったクライステルスは2倍の賞金に。
男子では、1位だったロディックが1回戦で負けてしまいましたが、
アガシが2位だったので、優勝すれば5割増の賞金になります。
220万ドルは、テニスのグランドスラムでの最高賞金ですし、
女子スポーツの大会での最高賞金にもなったそうです。
前座のトーナメントを盛り上げると言う意味で、
いい企画だったと思います。
男子シングルスの準決勝もありましたが、
その前に、見落とされがちなイベントの話をします。
混成ダブルスは、メジャー以外ではあまり見られませんし、
マルチナ・ナブラチロワが出ていること以外では、
あまり注目されないのでは無いかと思います。
今年の全米オープン、混成ダブルスで優勝したのは、
インドのマヘシュ・ブパティとスロバキアのダニエラ・ハンチュコバ。
杉山愛の女子ダブルスのパートナーなので、
日本でもハンチュコバはそれなりに知られているかもしれません。
そのハンチュコバが、この全米のタイトルで、
混成ダブルスの生涯グランドスラムを達成しました。
それぞれ優勝した時のパートナーは、
2001年のウィンブルドンでレオス・フリードル、
2002年の全豪ではケヴィン・ウリエット、
そして今年の全仏ではフランスのファブリス・サントロでした。
ナブラチロワしか達成した事の無い偉業を、
22歳の若さで成し遂げてしまいました。
杉山とのダブルスはもちろん、
シングルスでも活躍してもらいたい選手です。
男子の決勝には、順当と言えば順当に、
フェデラーとアガシが上がって来ましたね。
しかし、準決勝のアガシのロビー・ジネプリ戦は、
流れの行き来する5セットの好試合。
年始にはトップ100にも入っていなかったジネプリは、
今は負けてしまいましたが、今後も注目選手だと思います。
(アガシに準々決勝で負けたジェームズ・ブレイクももちろん)
フェデラーも、対戦相手のヒューイットには8連勝、
17セット連取して臨んだ準決勝でしたが、
今回はそれほど上手くは行きませんでした。
第1セットをフェデラーが無難に取った後、
ヒューイットがプレーのレベルを上げてきました。
フェデラーはバックハンドのミスが目立ち、
第2(訂正:第3)セットを落としてしまいましたが、
最後にはフェデラーが4セットの勝利で決勝に進みました。
残るのはフェデラーとアガシの決勝戦のみ。
観客が味方のアガシがどこまで行けるか、
楽しみな試合です。