近年、ア・リーグの東地区は

ニューヨーク・ヤンキースとボストン・レッドソックスの

2チームの争いになっていましたが、

今年はボルチモア・オリオールズが絶好のスタート。


4月の成績は15勝7敗で地区1位。

二塁手のブライアン・ロバーツは

前半のア・リーグMVPと言っていいほどの活躍で、

そのロバーツやテハダの打撃で取ったリードを、

抑えのB.J.ライアンが確実に勝ちにつなげていました。


6月21日には貯金14個としたのに、

投打とも調子を落として、今は52勝55敗。

ヤンキースとレッドソックスだけでなく、

トロント・ブルージェイズにも抜かれて地区4位まで落ちました。


今週は、ラファエル・パルメイロがステロイド使用で出場停止。

14日に行われるはずだった、

3000本安打の記念セレモニーも、彼自身がキャンセルしました。


今年だけで2シーズンやっていると思うくらい

印象の違う後半戦になってしまっています。


そしてリー・マジリ監督が、

その責任を負わされ、今日解雇されました。


しかし、

低迷の理由はどれも監督には責任が無いように見えます。


まず、ベテラン捕手ハビー・ロペスの怪我。


一昨年までブレーブズにいた強打者ですが、

5月の末に、ファールチップが右手に当たって骨折。

2ヵ月後に帰ってきたときには、

チーム内のムードは持ち直せないほど悪化していました。


ロペスのリードが無かった事で、低迷のもう1つの理由、

投手陣の経験不足も露呈してしまった感じです。


先発ローテーションで一番メジャー経験豊富なのは、

アルバで騎士の称号を持つシドニー・ポンソン。

そのポンソンもまだ28歳で、

いまだにシーズンを通じて安定した活躍は出来ていません。


そのため、先月のトレード期限の前には、

フロリダのエース級投手A.J.バーネットを

獲得するという話が出ていました。


しかし、このトレードの話が出始めた頃から

バーネットがそれまで以上の大活躍。

マーリンズが出し渋る結果となってしまいました。


このような話が出るという事は、

フロントが今の投手陣に十分な自信を持っていないという事。

トレードが実現しなかった場合は

チームの士気に悪影響を及ぼしてしまいます。


ペナントレースに参加したのがあまりに久しぶりで、

フロントの勘が鈍っていたのかもしれません。


とにかく、穴のある選手構成に、

不運としかいえない怪我も重なった中、

なんとかやりくりしていたマジリ監督には拍手。

もっといい状況で次の仕事が出来るよう祈ります。