濃くて甘い白赤2本 | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

ル・デュモン ブルゴーニュ・ブラン・キュヴェ・ファミーユ 2015

購入日    2018年6月
開栓日    2018年6月22日
購入先    かわばた酒店
インポーター ヌーヴェル・セレクション
購入価格   3348円(税別)

 

テッツァ アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ コルテマイオーリ 2012

購入日    2017年12月
開栓日    2018年6月22日
購入先    トスカニー
インポーター トスカニー
購入価格   3628円(税込)

 

ようやく今日から大阪モノレールが復活し、大阪の公共交通機関がすべて復元した。

うちの職員2人がモノレールで通勤しているので、この点は大いに助かる。

 

ただしうちのビルの立体駐車場の破損は、まったく修理の目途さえ立っておらず、

内部にクルマ1台を閉じ込められた先生は、非常に気の毒である。

わたしも徒歩(13分)かバス(3分)で通勤している。

 

さて、肉料理に合わせて何となくブルゴーニュでないワインを開栓したくなって、

昨年ワイン会用に購入したイタリアワインの残っていたものを開けてみた。

 

ヴェネト州のアマローネだが、色はもちろん濃いルビー色〜紫色である。

最近は自宅以外ではほとんどワインは飲まず、軽やかで薄味で酸味が強いブルゴーニュばかり

飲みつけているので、こういうワインには面食らう。

 

若い女性メンバーが集まるワイン会用での受けを狙って選んだものだが、

この目論見は当たっていた。

何よりも先に重厚な果実が前面に出てくる。

香りに重きを置き、痩せて酸っぱいブルゴーニュを愛でる飲み手はいわば手練で、

こういう濃いイタリアンの方が親しみやすいと思うのが常識的な飲み手だ。

 

だからわたしは飲んだ瞬間「濃すぎ、甘すぎ、しんどい」と叫び、

グラスに少しだけ飲んでギブアップした。

 

最近和食に合わせて日本酒もよく開けているが、あっさりした軽めの酒ばかり選んでも、

そもそもブルゴーニュやシャンパーニュに比べると糖度が高い。

だから飲んでいると口内がベタついてくることがある。

しかし感覚的な糖度の高さでは、このアマローネも負けていない。

 

そこで同じ日にもう1本シャルドネを開けてみた。

それが仲田さんが造るデュモンのACブルゴーニュだが、これがまた輪をかけて甘かった。

裏レベルには「BOURGOGNE BLANC "BIO"」となっているが、

カリフォルニア産かと思うくらいの濃厚さで、糖度も高い。

 

このワインも、不特定の参加者によるワイン会では大受けするだろう、

と思いつグラスに少しだけ飲んだだけで終了。

 

良く言えばACブルゴーニュでここまで第1印象が濃いワインも珍しい。

ブルゴーニュの繊細な部分、すなわち香りと酸も持っていることはいるが、

それらを覆い尽くす果実の芳醇さがある。

褒め言葉ではなくて、これはネガティブな意味での芳醇さである。

 

翌日(本日)飲んでみたら、やや酸化したためボディが少し細くなっていて、

昨晩より香りと酸が目立って好ましい。

しかし喉ごし後の甘みが長く続いてしつこく感じる。

 

デュモンの本拠地はジュブレ・シャンベルタンだ。

記載がないがこのワインの畑は本当にそんな北の土地なのだろうか。

この糖度の高さが、2015というヴィンテージの特徴だけとは思えないが。

 

さらに本日、先のアマローネも舐めてみたら、おいコラ!という押出しが酸化のため

影を潜め、多少親しみやすくなっていた。

 

この日の2本の濃いワイン、20年前ならもっと喜んで飲んだだろうなあ、

年をとったものだ、と嘆きながら栓をした。

そうなのだ。もはやあらゆる意味で柔らかいワインしか口に合わなくなっているのだ。

 

そして、例外なく今自分が飲みたいワインは濃くて甘いワインより高額であって、

しかも飲み頃のものはほとんど市場にないのだ。

だから自宅には大きな保管庫が必要なのだ。

 

2018年6月24日 追記

ル・デュモン ブルゴーニュ・ブラン・キュヴェ・ファミーユ 2015

 3日経って果実が引っ込み、香りも抜けて、上品な砂糖水のようになった。

 やはりブドウに底力が欠けるのである。

 ルフレーヴのACブルゴーニュとはブドウのでき、畑の次元が違う。値段も違う(約半額)。

 開栓すぐのインパクトが好きな飲み手にはいいだろう。

 

テッツァ アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ コルテマイオーリ 2012

 こちらも酸化が進み、ふっくらした果実が影を潜め、葡萄の皮の渋みが表に出てきた。

 このワインはあと数年待ち、このタンニンが和らげば楽しめそうだ。

 わたし個人としては、こんな濃いイタリアンを1人で開けるのは年に1度で十分だ。