普段は静岡県を中心にデュエルマスターズのイベントを開催しています。松浦と申します。
昨今はデュエルマスターズの公認サポート制度が使いやすくなりまして、どの方でも公認イベントを開催することが容易になりました。私もたいへんお世話になっておりまして、公認イベントを開催し始めて4年になります。
デュエルマスターズと他のタイトルを比較した時の強みとして、公認イベントの開催数と参加人数が他のタイトルと比較して圧倒的に多いという部分があります。TCGは大会があって人がいて成立する遊びなのでたいへん素晴らしいことですね。
公認大会が簡単に申請できるようになったことに対して、主催する側の技術が追いついていないのではないかと感じてしまう時もあります。初開催の時は上手くいかないのが当たり前ですし、その時の経験を元にアップデートを繰り返して良くなっていくのがイベント運営であると思っているのでこれはとくに悪いことではないと思います。
この記事では自分が開催した大会や参加した大会で過去に起きたトラブルや失敗を元に主にマッチングの重要性やトラブルの防止や起きてしまった時の対処についてお話できればと思います。
大会におけるマッチングの重要性について
順位を競う大会を開催として開催する場合、マッチングは何よりも重要な要素となります。
競技性の高い大会ではゲームルールに詳しい方が重宝されると思われがちですが、それはマッチングが正常に行われている、快適な空間であるという前提でのお話です。
マッチングという要素は大会運営で必要な要素ほぼ全てに影響を与えます。
■進行の速さ ■空間の快適さ ■競技の公平性
ですから入念に準備し、何かトラブルが起きた時でも対応できるように策を講じておく必要があります。
よくある失敗例
1.マッチングツールのテストを行っていない
どのマッチングツールもある程度の操作が必要ですし、参加だけを入力したら自動的に進むというものはありません。またオフラインイベントであればマッチングツールの操作だけではなく実際の作業行程との連動を考慮する必要があります。
そういったテストを行わず、軽く説明だけ読んで当日にマッチングツールを使用してトラブルが発生するという案件は常に起きています。マッチングツールは大会の心臓です。
カードの難しいルールを調べるよりも先にマッチングツールのテストを行ってください。
・マッチングツールが参加人数に対応していなくてマッチングを作成できなかった。
・スイスドロー5回戦終了時に全勝者が1人になってそれ以上にマッチングを作成できなくなった。
・ブラウザ版の無料ツールを使用していて、更新したら入力したデータが全て消えた。
上記のような失敗は、テストを行っていない証拠です。
データを入力するのが手間だからと8人や16人でテストを行っている場合にも頻発しますね。マッチングツールのテストは必ずその人数分のデータを入力して行いましょう。
2.サーバーが落ちる・サイトが使用できなくなる・機材が破損する
電波的な問題で繋がらなくなってしまい大会進行が止まってしまうケース、個人が無償で提供しているサイトを使用していたら突然サービスが使えなくなってしまい困ってしまうケース。大会主催者としては自分は悪くないと思うかもしれませんが、大会が止まってしまうという事実に変わりはありません。ですから予め対策をしておく必要があります。
・サーバーが落ちる
⇒オフラインでマッチングができる用意をする。
オフラインで使用できるツールを使用する、トラブルを想定し常に紙のスコアシートを記入してもらう、マッチングデータのバックアップをとる等。
・サイトが使用できなくなる
無償提供の物ではなく、有料のツールを使用することを推奨します。無償提供の物でも信頼できるツールはありますが、主催者は集客に対する責任があると思いますので慎重に検討してください。
・機材が破損する
例えばパソコンが使えなくなった時、どのようにしてマッチングを進めるかを考えておく必要があります。2台持ち歩く、スマートフォンから操作できる準備をする、常に紙のスコアシートを記入してもらう等。
責任がどこにあるかは置いておき、どうやって大会を進めるのかを予め想定しておきましょう。
私も過去にブラウザ上でマッチングを行うツールを使用していましたが、スイスドロー後半になると操作が重くなって進行に支障が出ていた時もありました。
ブラウザ上で使用できるツールは
・スマートフォンのみで操作できる
・操作が簡単
・ソフトの購入が不要
等のメリットはありますが、電波関連のトラブルが発生した時になにもできなくなります。
もし使用するのであれば、最悪紙のスコアシートで再現できるように各選手にスコアシートを配布して対戦毎に記入してもらうことを推奨いたします。
オフラインで作動するツールですと、電波障害が発生してもプリンターを用意しておけば問題なく進行することができます。機材をそろえる必要がありますがおすすめです。
3.・受付時のエラー・告知不足で起きるトラブル・ドロップ関連
・同率順位が発生した時についてルールを決めておく。
マッチングツールを使用していると決勝トーナメントに進出できる選手が同率順位になることが稀にあります。例 8人決勝トーナメントに進出する大会で同点8位が2人いる
そういった時にどのように順位を決定するのかを予め決めておき、大会ルールに記載しておきましょう。■マッチングツールで作成した順位で同率順位が発生した場合、運営が用意したくじで決定します。がおすすめです。
・運営が受付人数を数え間違えて入力する。
手書きで受付人数を記録している大会でよく発生します。
当たり前ですが、ヒューマンエラーはどうしても発生するので見やすい表を作成することをおすすめします。ノートやメモに手書き等はやめましょう。
どこまでが確定枠でどこからがキャンセル待ちなのか把握できるようにしましょう。
大会が開始してから再マッチングをすることになると会場の雰囲気が悪くなりますし、人数が募集よりも多いと決勝トーナメントに参加できる人数にも影響が出ます。
大会の評判に関わる部分ですので、十分に注意しましょう。
・初めて参加する人が受付する必要があることを把握できていない。
大会に来たら受付で参加費を支払うのが当たり前という感覚は参加経験がある方であればお持ちだと思います。しかし初めて参加する方はそうではありません。
大会に参加するための手順、デッキリストの提出方法、マッチングの確認方法、大会ルール等は「初めての参加する方が自分で読んで理解できる」を目標に作成しましょう。ここに関しては私も常に課題としています。
・ドロップ関連
進行を阻害する話にはならないのですが、ドロップについてはミスが発生しやすい要素です。ドロップ入力忘れによる再マッチングは私もそこそこの頻度で起こしています。また選手によってはドロップという概念やスイスドローという概念を知らずに負けたら帰ってよいという認識の方もいます。ドロップについて注力して説明するのが私は好きではありませんが、最低限の説明はあった方が良いかもしれません。対戦を楽しみに来てくださっている参加者の皆様ですから、なるべく不戦勝を起こさないように努めましょう。
最後に
上記を読んでいると当たり前だという内容を並べただけの内容の薄い文章になってしまったと思います。運営というのは奇抜な発想も大切なのですが、ベースは当たり前の積み重ねです。
選手は参加費以上に時間や手間、カードゲームへの情熱をかけて大会に参加してくださっています。我々はメーカーのブランドを借りて大会を開催しています。スタッフも誠意を持って大会を手伝ってくれているはずです。
そういった多方面の方々や、奮起した自分自身を裏切ることがないように入念な準備をした上で大会を開催しましょう。一緒に頑張りましょう。
その他頻発するトラブルや良い対処方等ございましたらお聞かせください。
マッチングツールについて大会について困ったことがある方がいらっしゃりましたらいつでもお申し付けください。可能な限り対応させて頂きます。
X(https://twitter.com/grimm888888)
rengeiji 松浦朋郎